醸造所に「のれんアート」 NoMAラボ 浪江のハッコウバに設置 記憶と未来を表現

 福島県浪江町などで被災地支援活動をしている「NoMAラボ」は、町内藤橋原のhaccoba(ハッコウバ)浪江醸造所にアートが描かれたのれん2枚を設置した。浪江町の過去と未来をつなぐアートを町中に展示する「なみえアートプロジェクト」の一環。3月28日、現地で披露された。

 知的障害のあるアーティストによる作品を発表している「ヘラルボニー(岩手県)」所属のアーティストが手がけた。「なみえの記憶」と題した作品は藤橋不動尊の不動市を題材にした。かつての春の風物詩として親しまれた町民の思い出を色鮮やかに表現した。

 作品「なみえの未来」は「豊かな食文化への誇り」をテーマにした。浪江の美しい田園風景の中でさまざまな作物が作られ、自慢の食文化が次世代にも受け継がれてほしいとの願いを込めた。

 お披露目式が現地で行われ、NoMAラボの高橋大就代表理事、ヘラルボニー関係者らがあいさつした。出席者が幕を引いてアートを披露した。

■新酒を発表 ハッコウバ

 お披露目式で南相馬市の酒蔵「haccoba(ハッコウバ)」が新酒を発表した。この日披露された作品「なみえの未来」がパッケージになっている。

 タンパク成分「ホエイ」をコメと発酵させて作った。馬文化が根付く相双地方にちなみ、モンゴルの「馬乳酒」をイメージした。甘酸っぱく、フルーティーな香りが特徴。出席者が新たな酒を味わった。

 名称は「Fuuu!do」。約1千本を醸造した。500ミリリットル入りで価格は2860円(税込み)。「なみえの未来」がデザインされたハンカチ付きもあり、価格は4620円(税込み)。ハッコウバのホームページ(https://haccoba.com/)などで購入できる。

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