「真のサムライのようなプレー」鎌田大地が新生ラツィオで存在感示す! 新指揮官も「私は彼のことが非常に好きだ」とポジティブな評価

現地時間3月31日に行なわれたセリエA第30節で、ラツィオは後半アディショナルタイムのアダム・マルシッチの決勝ヘッド弾により強敵ユベントスを1-0で撃破。鎌田大地は19節ウディネーゼ戦以来となる先発出場で、存在感を示している。

成績不振によって辞任したマウリツィオ・サッリの後任監督、イゴール・トゥドールの初陣となった本拠地オリンピコでの一戦、中盤の一角としてピッチで試合開始の笛を聞いた背番号6は、80分に交代でベンチに退くまで大いに試合に関与。それは、データ専門サイト『WhoScored.com』による、ボールタッチ97回(両チーム単独最多)、シュート2本(枠内1本)、パス83本(成功77本)、キーパス1本、タックル3回(全て成功)、インターセプト2回、ファウル2回というスタッツからも窺える。

新指揮官から、「鎌田は重要なプレーを見せた。彼は黄金の少年。私は彼のことが非常に好きだ。選手たちのことを知るには、1週間は短い時間だが、私がいれば彼にはスペースがあると分かっている」(試合後の『DAZN』のインタビュー)と称賛され、今後のプレー機会の増加にも期待が持てる鎌田については、多くの現地メディアもポジティブな評価を下している。
日刊紙『CORRIERE DELLA SERA』は、10点満点の採点で他の多くのチームメイト同様に「6」の及第点を鎌田に与え、「序盤は苦労したものの、その後はシーズン中の多くの不十分さを忘れさせた」とポジティブな記述。一方、『Il Giornale』紙も同採点で、以下のように鎌田のプレーを総括した。

「神経質で、少しファウルも多かったが、再び主役になりたいという意欲を示した。相手GKヴォイチェフ・シュチェスニーがミスを犯した際にゴールを決められなかったのは重大なことだが、ワンツーでのプレーは良かった。そして後半は自信を得て、進化を見せている」

スポーツ紙『Corriere della Sport』は、「レジスタとして97回のボールタッチを記録し、マリオ・ヒラのようなプレーでビルドアップやプレーを推進し、真のサムライのようなプレースタイルを披露した。デュエルやボールの奪取など、様々なプレーをこなし、マッティア・ザッカーニへのロングパスも成功。このようなプレーを80分間続けた」として、「7」の高採点を付与している。 対して、デジタル新聞『Roma Today』は「5.5」と厳しめで、「“量”は多いが“質”に欠け、ミスが多かった」と寸評もネガティブ。『LEGGO』紙も同採点で、「この夜の驚きの起用だったが、トゥドール監督の信頼に報いることはなかった。多くのボールに触れたことは確かだが、それ以上のことはなかった。プレッシングやボール奪取が必要な時は上手くいったが、全体的には常にブレーキがかかっているように見えた」と、終始寸評は厳しかった。

スポーツ専門放送局『EUROSPORT』は、「トゥドール監督の驚きの選択。4分しか経っていない時点でシュートを放つ意欲を示す。シュチェスニーがペドロに贈ったボールに対して少し迷い、シュートのタイミングを見つけられなかった。全体的にはレジスタとして好印象を与え、説得力を感じさせた。中盤で並んだダニーロ・カタルディとの相性は良く、攻撃において常に存在感を示した」と評し、採点も「6.5」と及第点を超えている。

『SPORT MEDIASET』の採点は「6」で、「鎌田はラツィオの中盤で良いプレーを見せていたが、22分にシュチェスニーのミスによる得点チャンスを得ながら、これを逃してしまった」と逸機を重要視。スポーツ専門サイト『Virgilio Sport』は、「日本人選手をプレーさせるというトゥドール新監督の選択は予想外だった。2人の中盤選手としてプレーする中で、鎌田は悪くなかったが、重要な瞬間での活躍が足りなかった」と綴り、採点は「5.5」止まりだった。
サッカー専門サイトでは、『calciomercato』が「トゥドール監督が、鎌田を活性化させた。シーズンを通して、これまで見たことがないほど走り回り、闘争心を見せた」と評して採点は「6」、『TUTTOmercatoWEB.com』は「良いスタートを切り、多くのボールに触れ、試合に関与していることを示した。得点機もあったが、ボールを足元で上手く扱えず。その後は少しパフォーマンスが落ちたものの、試合から消えることはなかった」とポジティブな寸評で、こちらも「6」を与えている。

最後に、ラツィオのクラブ専門サイト『LA LAZIO SIAMO NOI.IT』は採点を「6.5」とし、「数えきれないほどボールに触れ、走り回り、汗をかく姿は、ラツィオでのものではなく、フランクフルトで称賛された時の姿に近づいているように感じられた。彼は疲れ果てて交代した」と称賛した。

構成●THE DIGEST編集部

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