U23日本代表招集拒否の裏側語る?ブレンビー監督「鈴木唯人の獲得時から…」

鈴木唯人 写真:Getty Images

かつて清水エスパルスでプレーしていたMF鈴木唯人は、現在デンマーク1部ブレンビーIFの主力選手として活躍。AFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選のU23日本代表招集が困難と一部で報じられる中、ブレンビーのイェスパー・ソーレンセン監督が鈴木の存在意義を強調した。

鈴木は昨年1月に清水エスパルスからストラスブールへ期限付き移籍も、リーグアン(フランス1部)3試合の出場で1ゴールという結果に終わり、わずか半年でストラスブールを退団。昨年8月にブレンビーへ完全移籍したが、2023/24シーズン前半戦はU21デンマーク代表FWマティアス・クヴィストゴーデンの控えに甘んじていた。

それでも今年2月のリーグ戦再開以降は、ここまで全5試合でスタメン出場。特に先月17日開催のシルケボーIF戦では、家族がスタンドから見守る中でハットトリックを達成している。

昨年11月18日の国際親善試合・U22アルゼンチン代表戦で2ゴールを決めるなど、パリ五輪世代屈指のアタッカーとしても期待を寄せられている鈴木。しかし、先月の国際親善試合(対マリ、ウクライナ)でU23日本代表のメンバーに招集されず。一部では、クラブ事情もありU23アジアカップへの参戦が絶望的と報じられている。

ソーレンセン監督は今月1日にコペンハーゲン戦を控える中、鈴木のクオリティーに言及。クラブ公式サイトによると、指揮官はダービーマッチ前日の会見で「ハットトリックを達成した鈴木の存在なしに、シルケボーIF戦について語ることはできない」と切り出すと、「我々は彼を獲得した時から、彼がこのクラブにとって特別な存在であると常に信じてきたんだ。もちろん、これがブレンビーにとって素晴らしいことの始まりになると願っているよ」と、日本人選手に対する期待感を覗かせいたという。

またデンマークメディア『campo』は、「ブレンビーにおける鈴木のキャリアは、シーズン後半戦になって本格的に軌道に乗った。彼が今も将来もブレンビーの大きな注目を集める存在になると、指揮官は常に信じている」とリポート。コペンハーゲンとのダービーマッチを前に、ブレンビーが首位ミッティランから勝ち点1差の2位につけていることを紹介した上で、優勝争いにおいて鈴木が必要不可欠な存在であることを強調した。

ブレンビーとの契約を2027年6月まで残している鈴木。パリ五輪での活躍が期待されているとはいえ、優勝争いを演じているブレンビーの現状が、U23日本代表招集への大きな壁になっているようだ。

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