【紅麹サプリ問題】健康被害広がるなかで疑われる物質「プベルル酸」との関わり…静岡県立大の専門家に聞く

全国で5人が亡くなるなど健康被害が広がる小林製薬の「紅麹」をめぐる問題で「プベルル酸」という物質が大きく関わっていることが疑われていますが、これは一体どんな物質なのでしょうか?静岡県立大学の専門家に聞きました。

“小林製薬の紅麹”問題。静岡県内でも影響が広がっていて、県によると被害を疑われる患者は これまでに9件確認されていて、県の担当者によりますと、4月1日までに さらに患者数が増える見込みだということです。こうした中、3月31日、和歌山県にある小林製薬の子会社の工場では…。

(記者)

「厚生労働省の担当者らが小林製薬の和歌山工場へ立ち入り検査に入ります。

また、3月30日には、紅麹原料を製造していた大阪工場にも検査が入り、当時の製造状況について確認したとみられています。健康被害の原因は「未知の成分」とされてきましたが、これについて金曜日の会見で…。

(小林製薬 梶田恵介 食品カテゴリー長)

「我々が分析して解析したものとの合致性が高い成分が“プベルル酸”」

これまで「未知の成分」とされてきたものが「プベルル酸」という物質である可能性が浮上したのです。この「プベルル酸」とは、青カビから生成され、毒性が非常に高いということですが腎臓への影響はわかっていません。

問題となっている小林製薬のサプリを2023年12月から約4か月間飲んでいた人は不安を隠しきれません。見せてくれたのは、小林製薬から送られてきたという「使用中止のお願い」と書かれたメール。通信販売事業の責任者からです。

(紅麹サプリを飲んだ人)

「「驚きを隠せなかったです」「これは飲んではいけないものなんだって」「短い期間ではありましたけれども、毎朝必ず3粒飲んでいたものなので」内臓に影響が出ているんじゃないかなって」

2023年6月から半年間、問題のサプリを飲んでいたという女性。むくみや頻尿、激しい倦怠感があったため、3月28日に検査をうけ4月4日に結果がでる予定です。

Q.プベルル酸って知ったときというのはどういうふうに感じましたか?

(紅麹サプリを飲んだ人)

「怖いしかないです」「たとえば菌なり、なんとか酸ですって言われたって、発生したって言われたって分からないじゃん」「私がもし健康被害にあっていたら健康を返してって」

健康被害との関連が疑われる“プベルル酸”。静岡県立大学で食中毒の菌などを研究している増田修一 教授はこのプべルル酸について「毒性があり、身近にあるようなものではない」と話します。

(静岡県立大学 食品栄養科学部 増田修一 教授)

「プべルル酸は青カビが産生するような物質ということで、マラリアに対する薬物みたいな物ということで発見されたみたいですが」「身近にあるような物ではない」「毒性がちょっとあるということで、普通の薬物には使っていないと思う」

その一方で、実は専門家でも「プベルル酸」による影響についてはわからない事が多いといいます。

(静岡県立大学 食品栄養科学部 増田修一 教授)

「実際(プべルル酸が)腎臓に対して毒性を示すというのが全く調べられてなくて、今から調べなければいけない。今のところプべルル酸だろうと言われてますけど、本当にそれが今回の腎臓に対する毒性を示しているかは、まったくわからない」

今回、サプリからプベルル酸が検出されたことについて増田教授は、製造工程で青カビが混入した可能性を指摘しました。

(静岡県立大学 食品栄養科学部 増田修一 教授)

「青カビが混入して紅麹カビと同時に培養した場合に青カビからプべルル酸が産生されてしまったと。だから青カビが混入してそれがプべルル酸を生成してしまったというようなかたちだと思います」

しかし、サプリを製造する途中で青カビが混入することなどあり得るのでしょうか。

(静岡県立大学 食品栄養科学部 増田修一 教授)

「食品製造工程でしっかり従業員の手洗いなどがしっかりしているのかとか」「虫が入ったりわからない。(衛生管理)をしっかりすることが、食品製造会社は重要だと思う」

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