ご当地インスタントラーメン食べ比べ! 第11回は“千葉編”

日本各地から取り寄せたご当地インスタントラーメンを食し、旅行気分を味わおうというこの企画。前回までは特別編として激辛王決定戦を行なっていたが、今回からは通常版を再スタート。それでは早速、千葉のご当地インスタントラーメン2品をレビューしよう。

11回目にして、この企画初の焼きそばが登場。さてお味の方は?

本場北海道の味わいを超える実力派味噌ラーメン

1杯目にいただいのは、千葉県松戸で本場を超える札幌ラーメンとして人気を博す、らあめん美春監修のこちら。であれば、「札幌のご当地ラーメンでは?」という声も聞こえてきそうだが、千葉を代表する有名店なので問題なし。作り方は通常通り、麺を茹でた鍋に濃縮スープを入れると完成する。麺の茹で時間が7分とかなり長く、スープの小袋がズシリと重いのも特徴だ。味噌のいい香りが漂いかなり美味そうだが、さてお味の方はどうか。

西山製麺「らあめん美春 味噌」
味噌らしい茶色のスープの上に油が膜を作り、かなり濃厚そうだ

スープからズズズイといただくと、「おう! 芳醇!」。味噌のマイルドながら濃厚な旨みが鼻を抜ける。原材料には記されていないが、動物系の旨みも感じるから不思議だ。次に麺をズルズルっといただくと、さすがゆで時間7分の強者、中太丸麺のモチモチした食感がクオリティ高く、濃厚味噌との相性もバッチリだ。これ、好きなヤツっす。では、その総評。

総評

ご当地感★★☆☆☆

汁の個性★★★★☆

麺の個性★★★★☆

お土産度★★★☆☆

合計13ポイント

スープの色は濃く箸の先がまったく見えない
麺はインスタントラーメンの中ではかなり太めコシがありそう

スープは珍しいくらいの濃厚味噌だし、麺も太麺で特徴的。ラーメンとしての評価は高いが、やはり千葉県のご当地食品としてのパワーはそれほど高くなく、それに引っ張られる形でお土産度も伸び悩んだ。濃厚味噌ファンにはたまらない味わいなので、ぜひ本店とともにチェックしていただきたい。

パッケージから不思議な佇まいのご当地焼きそば

お次は、この企画始まって以来の焼きそば。「アラビアン焼きそば」は、1967年に登場し、千葉県北部から茨城県南部を中心に売れ行きを伸ばしたことから、いつしか千葉のご当地メニューとして扱われることが多くなったらしい。作り方は、通常のインスタント焼きそば同様、フライパンにお湯を入れて麺を柔らかくし、そっとお湯をだけを捨ててソースをかければ完成。若い人はカップ焼きそばの方がなじみがあるかもしれないが、おじさん世代には、かつてよくいただいた焼きそばの定番スタイルだ。

サンヨー食品「アラビアン焼きそば」
お皿に盛るとなかなかの分量ソースのいい香りが漂う

当然、スープはないので、麺からズルズルといただいてみると、「うん、普通に美味い! でも普通!」。きっと子どもからお年寄りまで、普通に美味いといいそうなくらい圧倒的普通。インスタント焼きそばらしい、若干モッタリとした麺に濃からず薄からずのソースが絡みつき、さらに青のりの香りが鼻をくすぐって、ほら普通。でも普通でいい。普通最高。しかし総評は。

総評

ご当地感 ★★☆☆☆

ソースの個性★☆☆☆☆

麺の個性 ★☆☆☆☆

お土産度 ★★★☆☆

合計7ポイント

カップ焼きそばが主流になりつつある今だからこそ注目したい

なかなか厳しい結果。普通最高、というのは間違っていないけど、個性の評価となると麺もソース(通常はスープの個性だが、焼きそばなのでソースとした)も、やはり星は伸び悩んだ。さらに千葉のご当地としての特徴も特に感じられず、こちらも低ポイント。いい意味でのチープさが逆にウケる可能性があることから、お土産度は星三つだが、合計7点と過去最低クラスの点数となってしまった。ごめんなさい、ほんと普通に美味いんですけど。

少しほろ苦い結果に

というわけで、少しほろ苦い結果となってしまった千葉編。次回は東京のご当地ラーメンを実食し、その魅力をお届けしよう。(エフェクト・山葉のぶゆき)

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