開幕5戦でトップ10入り4回の小祝さくら 強さの秘訣は『インパクトでの手元の低さ』 どうすれば真似できる?【優勝者のスイング】

最終日に5打差をひっくり返す逆転劇でツアー通算10勝目を飾った小祝さくら

最終日に5打差をひっくり返す逆転劇でツアー通算10勝目を飾った小祝さくら。優勝インタビューでは、「葛城ゴルフ倶楽部は難しいので、毎年スコアが出せる気がしない。今回良いスコアが出せて自信になった」と、昨年は予選落ちに終わった今大会での優勝に手応えを感じたようだ。

そんな彼女のスイングを昨年よりも進化していると分析するのはプロコーチの南秀樹。「バックスイングの懐が深く、腰はレベルターン。インパクトで手元が低く、フォローも真っすぐ出ている理想的なスイングですね。昨季は悪くなるとフォローで左ヒジを抜くような動きが見られましたが、今季はフォローで左に振るように、左肩も浮かずにボールを押し込めています。フィニッシュでシャツの背中部分にたくさんシワが入っていることからも、フォローで肩甲骨を入れて左に振っているのがわかります」。今季はここまで5試合を戦い予選落ちなし、4度のトップ10入りと好調を維持しているのも納得だという。

参考にしたいのは、インパクトでの手元の低さ。我々アマチュアにとっては、永遠のテーマともいえる難しい動きだ。「手元を下げようとすると頭が下がってしまう人が多く、左腰が引けて右足体重のカット打ちに、スライスが止まらなくなります。そもそも、カット軌道では手元は低くなりません」。

意識したいのは手元ではなく、お尻だ。「左足体重でのインパクトが、“低い手元”の絶対条件。切り返しで左のお尻とハムストリングの間(お尻の付け根)に力を入れ、お尻の位置をキープしてください。左体重のインパクトになって、クラブが自然落下し、手元が低くなります」。

ミドルアイアンを持ち、ハーフスイングから練習してみよう。切り返しで左のお尻の付け根に力を入れ、クラブを自然落下させたら体の正面でインパクト。フォローを大きく取る必要はない。右足をシューズ半分ほど引いて、左足に8割体重を乗せたクローズスタンスにすると、お尻のポジションをキープしやすくなる。「左体重のインパクトの感覚をつかんだら、徐々にスイングを大きくしていきましょう」。下半身リードや、腰を回す動きを取り入れるのはこの後のステップになる。

ドライバーでは手元が浮きやすくなることも覚えておきたい。「ドライバーを持つと飛ばしたくなるので、クラブを自然落下させにくくなります。切り返しで間がなくなり、手を振ってしまうわけです。高いところから重さを感じて下ろすアイアンと、遠いところから重さを感じにくいドライバーとの違いであり、難しいところです」。まずは練習場でトライしてみてほしい。

南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属

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