大山・雪崩事故 発生から1か月後に最後の1人を発見、死因は窒息死 「もう一度ご家族に顔を合わせてあげたい」…地元警察は毎日捜索を続けた

3月2日、鳥取県の大山で登山をしていた福岡県の3人が雪崩に巻き込まれ、2人が行方不明となった事故。発生から1か月が経とうとしていた3月30日、残る1人が遺体で発見されました。地元警察などは、天候などにより安全が確保できない日を除き、発生から毎日、捜索活動を続けていました。

3月2日、大山で登山をしていた福岡県の3人が雪崩に巻き込まれ、このうち会社役員の男性(52)と会社員の男性(55)の2人が行方不明となりました。その後、3月16日の捜索で、会社役員の男性(52)が発見されましたが、死亡が確認されました。

琴浦大山警察署を中心に、大山遭難広域救助隊が、天候などから安全が確保できない日を除き、毎日大山に登って捜索活動を行いましたが、残る1人の捜索はさらに難航しました。

28日まで、雪崩が発生した斜面に入り、「プローブ」と呼ばれる長い棒を雪につき刺しながら雪中を捜索しましたが、見つかりませんでした。警察の担当者はそれでも「捜索活動を打ち切る予定はない」と話しました。

琴浦大山警察署の担当者
「残る一人の発見に至るまで、捜索活動を打ち切る予定はありません。一日も早く発見できるよう、引き続き努めていきたいです」

29日以降は、尾根から目視での捜索を継続。雪解けが進めば、活動範囲を広げることにしていました。

そして、事故発生から1か月が経とうとしていた3月30日。

午前10時40分頃、尾根から目視で捜索中、16日に1人が見つかった七合沢付近で、残る1人を発見しました。

死亡が確認され、身元は会社員の男性(55)と判明。死因については、雪崩に巻き込まれて雪の中に埋没したことによる窒息死と判明しました。

琴浦大山警察署の担当者
「ここまで大規模な事故はここ数年で記録になく、天候にも翻弄され厳しい捜索活動となりました。それでも要救助者の生存を信じて、もう一度ご家族に顔を合わせてあげたい、どんな形でもご家族の元へお送りするという思いで救助にあたったので、最低限の責任を果たせたかなとは思いますが、残念な結果となってしまいました」

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