有料老人ホームを経営していた(株)日本ヒューマンサポート(埼玉)が民事再生

(株)日本ヒューマンサポート(春日部市)は3月29日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全・監督命令を受けた。申請代理人は伊藤毅弁護士(フレックスコンサルティング法律事務所、東京都千代田区大手町1-6-1)ほか3名、監督委員は佐藤三郎弁護士(佐藤三郎法律事務所、東京都千代田区麹町3-12-7)が選任された。
負債総額は約62億円。

有料老人ホームの運営やデイサービス、訪問介護、居宅介護支援などを手掛けていた。有料老人ホームは「ヒューマンサポート」の名称で、土地オーナーの遊休地の有効活用として、30年間の長期一括借上げ方式で建設から運営までを受託。埼玉県や茨城県、千葉県に17カ所程度の介護施設を運営し、年金の範囲内で利用できる低価格路線を打ち出して、2023年3月期の売上は約45億円に上っていた。

金融機関引受の社債も複数発行するなど対外信用を高めていたが、「新型コロナウイルス」感染拡大以降は、人件費の増加や物価高に加え、2020年にオープンした複数施設の入居率が低迷するなどし、採算が悪化。また、積極的な設備投資による借入や交際費などの支出も収益を圧迫していた。こうしたなか、決算内容に疑義が生じて2024年2月頃にバンクミーティングを開催していた。
申請に先立ち、医療・介護分野などへの投資実績を持つ投資ファンドとの間で、スポンサー支援に係わる基本合意書を締結し、代表者交代の上で営業を継続する意向。

(株)日本ヒューマンサポート(TSR企業コード:314291636、法人番号:1030001053398、春日部市備後西5-1-44、設立1984(昭和59)年2月、資本金9800万円)

© 株式会社東京商工リサーチ