事故現場→消防 映像付きで通報 「ライブ119」青森県内初運用 上十三指令センター

ライブ119の模擬訓練で、傷病者の様子をリアルタイムで中継する通報者
通報者から送られてきた傷病者の映像を確認する指令センター員

 上十三地域4消防本部が共同で指令業務を行う上十三消防指令センター(青森県十和田市)は1日、事故などの119番通報者が現場の映像をスマートフォンなどでセンターに中継できる通報システム「LIVE(ライブ)119」の正式運用を県内で初めて開始した。口頭で確認していた現場の状況をより正確にリアルタイムで把握でき、通報者に的確な指示を送ることも可能となる。

 4消防本部は、十和田広域、三沢市、北部上北、中部上北。

 ライブ119は、通報者がセンターからショートメッセージサービス(SMS)で送られる映像配信用URLにアクセスすると、ビデオ通話機能が起動し、撮影した動画がセンターに転送される仕組み。通報者側は特別なアプリを導入する必要がなく、状況に応じてセンター側がライブ119による中継を通報者に依頼する。

 センター側は映像を見ながら通報者に傷病者への応急手当てを指導したり、心肺蘇生法などの解説動画を送ったりして、救急隊が到着するまで通報者に措置してもらうこともできる。

 同センターは、聴覚や言語機能に障害のある人がスマホの文字入力で通報できるシステム「Net119」も既に導入。ライブ119も加わり、同センター担当者は「より多様な状況に対応でき、救命率の向上に期待できる」としている。

 ライブ119は、神戸市のIT企業「ドーン」が開発。同社によると2023年11月末現在、全国86の消防本部などが運用している。

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