「メンタリティが素晴らしい」優秀な人材の獲得競争が激化 外国からの働き手を採用する動きも 各地で入社式=静岡

4月1日、静岡県内各地でも入社式が行われ、新社会人がスタートを切りました。新入社員をめぐっては、優秀な人材を確保しようと獲得競争が激しくなっていますが、外国からの働き手を採用する動きも出ています。

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<スズキ新入社員 岩井胡々菜さん>
「会社の仲間と支えあい、切磋琢磨し、スズキや自動車業界、未知の領域の発展に全力を尽くす覚悟であります」

フレッシュな新入社員が誓いの言葉を述べたのは、浜松市に本社を置く自動車メーカー「スズキ」の入社式。グループ企業を合わせ、約1400人の新入社員が出席し、新たな門出を迎えました。

<寺坂元貴記者>
「スズキは新入社員にサプライズプレゼントを用意していました。彼らの給料は入社直前、大幅に引き上げられることが発表されたんです」

スズキは2024年度から大卒の初任給を14.1%引き上げるなど、大幅な賃金の見直しを進めました。

<スズキ新入社員 岩井胡々菜さん>
「うれしいと思いまして、それが動機というか、働くモチベーションになるのも、もちろんですが」

初任給の大幅な引き上げの背景にあるのは、人材の奪い合いです。少子化に国際的な競争の激しさが相まって、優秀な人材の獲得には待遇の改善が欠かせないのです。

ただ、こうやって資金を投入できるのは大企業ならでは。中小企業は優秀な人材を確保のため別の道を模索する必要があります。

静岡県焼津市に本社を置く建設会社「橋本組」で働くベトナム出身のホアン・リエン・マインさん(30)。もともと日本の文化や働き方に興味を持っていて7年前、ベトナムの大学を卒業し、橋本組に新卒社員として就職しました。

いまでは工事現場の最高責任者に。地元住民とのコミュニケーションも任されています。

<ホアン・リエン・マインさん>
「知識持っている人、頑張っている人には日本はものすごくいい環境だと思う。仕事はものすごくいい職場」

ベトナムでトップクラスのハノイ建設大学を卒業したマインさん。モチベーションを保つため福沢諭吉の「学問のすすめ」を読みながら毎日2時間、日本の資格を取得するための勉強を続けています。

<ホアン・リエン・マインさん>
「外国人なので日本語の壁もあるので、苦労してます」

地方の中小企業は、国内での人材確保に苦労しがちですが、外国の新卒なら優秀な人材を獲得できるチャンスがあると会社側は力説します。

<橋本組 橋本真典社長>
「何よりもメンタリティが素晴らしいですね。きっと昔の日本がそうだったのですが働くことに対して真摯に取り組む。マインを見習ってという言葉が割と会社の中で使われているのが事実」

勤勉さが売りだったはずの日本のビジネスマンを超える努力を続ける海外の人材は、会社を発展させるための起爆剤になる可能性を秘めています。

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