獨協医大病院が自走型搬送ロボット導入 「ドッポー1号」お披露目、約600人分の検体を運送

臨床検査センターへ検体を運ぶロボット=1日午後、壬生町北小林

 獨協医大病院は1日、採血した患者の検体を院内で運ぶ自律走行型搬送ロボット1台の稼働を始めた。病院のスマート化の一環で、業務の効率化を図る。

 ロボットは、大手電子機器メーカーのオムロン(京都市)が同病院のために約1年半をかけて製作した。名称は「ドッポー1号」。大きさは縦135センチ、幅50センチ、奥行き69センチ。独自のセンサーを搭載し、院内を行き交う人や車いすなどを自動で回避できる。

 主な仕事は、院内の採血室から約90メートル先にある臨床検査センターに1日当たり約600人分の検体を運搬すること。ロボットの表部分に荷台があり、扉は職員が専用のICカードをかざして開閉する。

 これまでは職員が定期的に検体を運搬していたが、導入により検査結果が出るまでの時間の短縮につながるという。今後は、手術室や集中治療室への輸血製剤の運搬にも使う予定。

 同日、院内では走行開始式が行われ、関係者約30人が参加した。麻生好正(あそうよしまさ)院長(62)は「ドッポー1号」に辞令を交付し、「検査時間が短縮され、患者の待ち時間も短くなる。医師の就業時間短縮にもつながるよう期待している」とあいさつした。その後、テープカットを行い、ロボットが検体を搬送する様子をお披露目した。

臨床検査センターから採血場へ検体を取りに行くロボット=1日午後、壬生町北小林

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