NIKEと「20年以上愛し合っている」4つの欧州代表チーム

6月から7月にかけてドイツで開催されるUEFA欧州選手権(EURO2024)。その大会に向けた新ユニフォームが各出場国に続々と登場している。

その出場国の中には、現在のサプライヤーと20年以上にわたる長期契約チームが複数存在する。

ここではEURO2024出場国を中心に、アメリカのスポーツブランドNikeと20年以上関係が続いている4つの欧州代表チームを、「最初」と「最新」の2つのユニフォームでご紹介しよう。

ポルトガル

ポルトガル代表 1997 Nike ホーム ユニフォーム

ポルトガル代表 2024 Nike ホーム ユニフォーム

ルイス・フィーゴ、パウロ・ソウザ、マヌエル・ルイ・コスタといった黄金世代が台頭し始めた頃に、ポルトガルはOlympic Sportswear(ベルギー)からNikeにサプライヤーを変更。1997年に登場した初代モデルは、1998フランスW杯予選などで使用していた。

97年から熱愛中の両者だが、その関係は終焉に近づいているようだ。

昨年6月、ポルトガルは2025年からPumaと新たなサプライヤー契約を締結するというニュースが欧州発で報じら、大きな話題を呼んだ。正式発表はされていないが、それが事実であればEURO2024モデルがNike最後のユニフォームとなる可能性が高い。

また、ポルトガルリーグでは今季から公式試合球のメーカーをPumaに変更しているが、これも代表チームのサプライヤー契約と何らかの関係があるのかもしれない。

クロアチア

クロアチア代表 2000 Nike ホーム ユニフォーム

クロアチア代表 2024 Nike ホーム ユニフォーム

初出場だったEURO1996でベスト8入りを果たし、同じく初出場の1998フランスW杯では3位。クロアチアはLotto(イタリア)のユニフォームを着て90年代を疾風のごとく駆け抜けた。

そんな躍進著しいチームを巨大ブランドが放っておくはずもなく、2000年からNikeを新たなパートナーに迎えている。

ホームユニフォームのデザインはLotto時代と変わらず、クロアチア語でシャホヴニツァ(チェス盤)と呼ばれる赤白チェック柄を継続。契約から20年ほどはチェックを綺麗にデザインしてきたが、2022年のカタールW杯モデルあたりからチェックに“崩し”を加え始める。

2022モデルではチェックをデザインしない空白部分をあえて作り、最新の2024モデルでは史上最大のチェックを採用。どちらも評判はパッとしないものだが、とりわけ後者はクロアチア史上最悪デザインと評するユニフォームファンも多い。

エストニア

エストニア代表 2000 Nike ホーム ユニフォーム

エストニア代表 2024 Nike ホーム ユニフォーム

最新のFIFAランクングでは123位。これまでワールドカップと欧州選手権に一度も出場したことのないエストニアだが、それゆえに小国好きの琴線に触れるチームだ。

1990年代まではLottoのユニフォームを着ていたが、2000年からNikeと契約中。小国が巨大ブランドとこれほど長く関係を続けているのは極めて珍しいケースと言える。

EURO2024予選ではグループFを1分7敗の最下位で終えるが、ネーションズリーグの成績で決まるという奇妙なルールによりプレーオフに進出。しかし3月21日に行われたポーランド戦は1-5で大敗を喫している。

最新の2024モデルはそのポーランド戦でお披露目に。空を意味する国旗の青が基調色に変わりはないが、ジグザグ模様に込められた意味は不明だ。

オランダ

オランダ代表 1997 Nike ホーム ユニフォーム

オランダ代表 2024 Nike ホーム ユニフォーム

オランダはEURO1992や1994アメリカW杯など、1992年から96年までの4年間をLottoとともに戦ったが、ポルトガルと同じく1997年よりNikeをパートナーに迎えている。

また、Lottoからの移籍という点ではクロアチア、エストニアと同じ。こうした新規の契約獲得の動きは、90年代後半にNikeが本格的にフットボール界へ参入したことを象徴している。

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Nikeと契約当初のユニフォームは、大きめの白い襟がどことなくLotto時代のデザインを彷彿とさせるが、その次に登場した1998フランスW杯モデルでは黒い襟を付けた精悍なデザインが人気を博した。

ナショナルカラーのオレンジを使う点はいつの時代でも変わらない。そこにダークカラーを組み合せるデザインは格好よいが、白と青の国旗色を差し色に使う少し古風なユニフォームを久々に見てみたい気もする。

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