「身体拘束が虐待との認識低い」川崎の支援施設で障害児死亡、市が検証報告書素案

市がまとめた事故検証報告書

 川崎市中原区の障害児支援施設「市中央療育センター」で2016年12月、短期入所中の男児=当時(9)=が死亡した事故を巡り、市が事故検証報告書素案をまとめたことが1日、分かった。素案では、同センターについて「身体拘束が虐待であるとの認識が低い」と指摘。市の管理監督や事故後の初動対応の甘さも課題とされている。

 事故を巡っては、指定管理者として同センターを運営する社会福祉法人「同愛会」(横浜市保土ケ谷区)が17年11月、事故調査報告書を市に提出。重度の知的障害があった男児の状態について、記載内容が事実と異なるとして、市に検証を要望していた。市は有識者会議を設置し、20年9月に検証を開始した。

 素案では、同センター職員の約6割が身体接触を伴う添い寝の経験があるとする同愛会の調査結果を踏まえ、「身体拘束が虐待であるとの認識が低い」と断じた。「手足を押さえて動きを止める行為が(同センター内で)先輩から後輩へ受け継がれていた可能性も否定できない」としている。

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