子育て支援金の政府試算、野党「後出しじゃんけん」と批判 首相「失敗は血肉」と強気の姿勢

岸田文雄首相(資料写真)

 岸田文雄首相(自民党総裁)は1日の参院決算委員会で新年度初の論戦に臨んだ。安倍派(清和政策研究会)など派閥裏金事件への対応不足を巡り、野党からは首相の「火の玉」発言を引いて「つけ忘れだ」(立憲民主党の田名部匡代氏)と皮肉を浴びた。子ども・子育て支援金創設を巡る負担試算の公表も「後出しじゃんけん」(立民の横沢高徳氏)と批判されたが、自身の信条「失敗は血肉」を答弁で披露するなど強気の姿勢で通した。

 支援金の政府試算は野党の要求にもかかわらず新年度予算案審議中は明らかにされてこなかった。予算は3月28日に可決成立。すると翌29日に試算が公表され、4月2日に関連法案の審査日程が組まれた経緯がある。

 「後出し」を指摘した横沢氏は「1人月額500円弱との説明が950円にまで増すケースもある。総理の『負担増なし』との説明には無理がある」と指摘。しかし首相は「平均負担額は500円弱であるとの説明を裏付ける資料だ」などと突っぱねた。予算成立(3月28日)と法案審議開始(4月2日)までの間に試算を公表したことに対しても「法案審議の前にお示しできた」として「遅い」との批判を一顧だにしなかった。

 裏金事件を追及した田名部氏との論戦では「刑事責任についての検察の捜査は尽くされている。事実解明は大事だが政治責任も明らかにしていかねばならない」と幕引きをにおわす場面も。田名部氏から「問題を闇に葬ろうなんて許されない」と反論されると、表情こそ変えなかったが組んだ手の左右の親指を上下に激しく組み替え、いらだちをのぞかせた。

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