社協職員が福祉サービス悪用、預かった通帳から270万円横領 30代男性を懲戒解雇 錦江町

 鹿児島県錦江町社会福祉協議会は1日、高齢者の通帳から約270万円を引き出し横領したとして、30代男性職員を3月31日付で懲戒解雇処分にしたと発表した。全額弁済され、刑事告訴はしない。

 町社協によると、男性は高齢者らの金銭管理を手伝う「福祉サービス利用支援事業」で町内の80代男性の家族から通帳を預かり、2023年11月~24年2月、二つの口座から11回にわたり計約270万円を不正に引き出した。

 80代男性が利用する町外のグループホームの職員が指摘し、今年3月18日に発覚した。本人に確認したところ「借金の返済に充てた」と横領を認めたという。

 監督責任を怠ったとして、会長を務める新田敏郎町長の給与を1カ月間10%減額する議案を町議会臨時会に提案する。上司の事務局長はけん責処分とした。

 新田会長は「利用者に迷惑をかけ、町民の信頼を大きく損ない、深くおわびする。再発防止と信頼回復に取り組む」としている。

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