【シンガポール】食品開発NHP、チョコブランドの店舗開設[食品]

日本ハイドロパウテックは加水分解技術を使用したチョコレートブランドの店舗を開設した(同社提供)

加水分解技術を食品製造に利用・応用する技術を提供している日本ハイドロパウテック(NHP、新潟県長岡市)は1日、グループ会社のハイドロパウテック・シンガポールを通じ、同国でチョコレート製品ブランド「エニワン・チョコ(ANY1 CHOCO)」の店舗を開設した。同ブランドの店舗を出すのは日本国内外で初めて。東アジアや東南アジアの他国への展開も目指す。

エニワン・チョコの1号店は中心部テロックアヤに開設した。店舗の内装タイルや左官壁には、チョコレート製造時に廃材となっていたカカオハスク(カカオ豆の種皮)を加水分解処理して製造した釉薬を使用し、環境配慮への新たな取り組みを提案している。

日本ハイドロパウテックは独自の加水分解技術を基に加水分解物を製造。同分解物を応用したチョコレートを販売する。植物由来の原料を使用し、乳製品不使用、小麦粉不使用の製品のみ取り扱う。

タブレットやドラジェ(糖衣菓子)の商品に加え、同店限定のチョコ飲料やチョコアイスも提供する。日本国内ではオンラインストアを開設。将来的には実店舗での販売も検討する。

シンガポールはビーガン(完全菜食主義者)やイスラム教の戒律『ハラル』対応を含めた植物由来、アレルゲンフリーの市場が日本よりも大きく、さまざまなビジネスのハブとしての顔も持つ。日本ハイドロパウテックは人やモノが交流する同国で、自社チョコレート製品の市場性を検証したい考えだ。

日本ハイドロパウテックは、でんぷん製造を手がける三和澱粉工業(奈良県橿原市)と米粉を製造するたかい食品が2014年に設立した共同出資会社。国内の研究機関や大手食品会社と業務提携を結び、新技術、製品を開発している。

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