氷見市初の女性消防職員 震災経て思い強く 冨堂さん、父追い

消防士への決意をにじませた冨堂さん=高岡市消防本部

  ●「第一線で活躍したい」

 1日付で氷見市初の女性消防職員に採用された冨堂帆南(とみどうほなみ)さん(21)=南砺市出身=が、能登半島地震で大きな被害を受けた氷見の状況に「第一線で消防士として活躍したい」と決意を強くしている。消防士だった父の背中を見て育ち、市民の命を守るため救急救命士の資格も取得した冨堂さんは同日、市役所で辞令交付式に臨み、夢への新たな一歩を踏み出した。

 冨堂さんは、砺波地域消防組合で消防士だった父の重治さん(62)の姿を見て育ち、中学生の頃から消防士になる夢を抱いてきた。父からの助言を受け、南砺福光高を卒業後、長野県の専門学校で救急救命士の資格を取得した。母の日登美さん(59)の後押しもあり、念願の消防士を目指してきた。

  ●女性職員採用1号、辞令を交付

 氷見市によると、市は2021年度から高岡市消防本部に事務委託しており、市採用の女性職員は冨堂さんが第1号となる。同消防本部では高岡市採用の5人と合わせて計6人となる。

 氷見市は約5年前から氷見消防署に女性用の仮眠室やトイレなどを整備し、受け入れ環境を整えてきた。これまで職員募集への応募はあったが、採用には至っておらず、「待望」(市幹部)の女性消防職員という。

 1日に氷見市役所で林正之市長から辞令を受け、同日付で高岡市消防本部総務課付となった。3日から富山市の県消防学校に入校し、一定期間の研修、実技などを経て消防士として第一線に配置される。冨堂さんは「災害に遭われたたくさんの人が必死に頑張っている。市民の皆さんから頼ってもらえるように、頑張って仕事をしたい」と決意をにじませた。

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