初日水揚げ5分の1 シロエビ漁解禁 海底で地滑り「地震の影響か」

水揚げされるシロエビ=1日午前7時半、射水市の新湊漁港

  ●新湊沖421キロ

 富山湾に春を告げるシロエビ漁が1日解禁され、初日の水揚げ量は421キロと例年の5分の1にとどまった。1月の能登半島地震では海底で地滑りが発生するなど富山湾の環境が変化しており、漁業関係者からは「地震の影響ではないか」と懸念する声が上がった。県水産研究所は、地震との関連性について長期的な調査で判断する必要があるとした。

 新湊漁協によると、昨年の初日は例年並みの2100キロの水揚げがあったが、今年は一転、激減した。

 能登半島地震では、ズワイガニやエビなど他の水産物をとる底引き網が隆起した地盤に引っ掛かって損傷する被害が出ている。より水深の浅い水中を浮遊するシロエビは網が海底に付かない漁法のため、影響は少ないとみられていた。

 県水産研究所は初日の水揚げ量について、過去には2021年に初日28キロの不漁だったものの年間では例年並みの水揚げ量を確保できたケースもあるとし、地震の影響かどうかはすぐには分からないとしている。

 シロエビ漁は新湊漁協所属の漁船8隻が行っており、1日は4隻が午前4時半に出港。底引き網を使用して沖合2、3キロの漁場で操業した。

 午前7時半ごろに漁港へ戻り、シロエビが入ったかごを卸すと、仲買人からは「無事に上がって良かった」との声が聞かれた。初日のサイズは例年並みの5、6センチだった。

 漁船「松宝丸」船主の松本隆司さん(52)は、地震の影響でほとんど水揚げがない事態も心配していたとし、「漁を再開できるのかも不安だった。なんとか無事に水揚げできただけでも、ほっとしている」と話した。

 シロエビ漁は夏に水揚げのピークを迎え、11月まで続く。

© 株式会社北國新聞社