スプリットチェンジで三振、三振、また三振!カブス今永が6回2安打9奪三振と圧巻のメジャーデビュー!

現地4月1日、カブスの今永昇太がロッキーズ戦でメジャー初登板を果たし、圧巻の投球を披露した。

本拠地リグリー・フィールドで初めてメジャーのマウンドを踏んだ今永は、気温6度の寒さのなか、半袖で力投。初回から完璧な立ち上がりを見せた。1番チャーリー・ブラックモンに対して徹底的に4シームで押してセンターフライに打ち取り、2番ブレンダン・ロジャースには代名詞の“スプリットチェンジ”でメジャー初三振を奪う。あまりの落差に捕手のヤン・ゴームズも捕れず、振り逃げでの記録となった。

その後も快投は止まらなかった。2回先頭のクリス・ブライアントにエラーで出塁を許した直後に2者連続三振。4回には昨季20本塁打を放ったノーラン・ジョーンズを相手に、4シーム主体で3球三振を奪うなど、時には力押し、時にはスプリットチェンジと打者ごとにスタイルを使い分け、5回終わって無安打8奪三振と圧巻のピッチングを披露した。
6回には2死からブラックモンに初安打を許してノーヒッターの夢は破れたが、出色のの投球に本拠地はスタンディングオベーションで今永を称える。直後にロジャースにも連打を浴びて一、二塁のピンチを招いた時も、球場からは今永を励ますべく盛んに声援が飛んでいた。

当の今永も連打で動揺したのか、直後のジョーンズへの初球を前に初めてピッチクロック違反を犯したものの、ここからがまた見事だった。2球ファウルを打たせて追い込むと、最後は真ん中やや低めにズバッと4シームを決めて空振り三振に打ち取った。雄叫びをあげてマウンドを降りた今永は、この回限りでお役御免に。6回2安打無失点9奪三振という会心のデビューを飾った。

ただ、ロッキーズ先発のダコタ・ハドソンも踏ん張り、この時点ではカブス打線も無得点。このままでは初白星はおあずけか......と思われた矢先、今永の好投に打線が奮起。6回裏先頭のイアン・ハップが初球打ちでレフト前ヒットを放ち、鈴木誠也もライト前への一打で続き、無死一、二塁の好機を作る。

ここで今永を強烈に援護する一打を放ったのが、4番のクリストファー・モレルだ。真ん中に入ってきた初球をぶっ叩いた打球は三遊間を割ってレフト前へと飛び、なんとこれをレフトのジョーンズが後逸。この間にハップと鈴木が相次いでホームイン、さらに中継プレーでもエラーが出て、打者走者のモレルまでもホームにと突入し、一気に3点を奪ってこの試合初のリード。このままカブスが勝てば今永にメジャー初登板初勝利がつくことになる。

構成●SLUGGER編集部

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