群馬・健大高崎ナインが凱旋 駅、学校で熱烈出迎え 県民栄誉賞を検討

高崎市民や市職員に拍手で祝福される健大高崎ナイン=1日午後3時45分ごろ、高崎市役所

 「おめでとう」「よくやった」―。第96回選抜高校野球大会で群馬県勢初の優勝を果たした健大高崎ナインが1日、地元の高崎市へ凱旋(がいせん)した。JR高崎駅や同市中大類町の同校には大勢の学校関係者や高校野球ファンが集まり、甲子園の大舞台で悲願を達成した選手、監督らを祝福した。

 一行は午前中に大阪市内の宿泊先を出発。午後3時10分ごろ、新幹線でJR高崎駅に到着すると「優勝おめでとうございます」というアナウンスが駅構内に流れた。

 駅東口のペデストリアンデッキには数百人が集まった。紫紺の大優勝旗を手にした箱山遥人主将ら健大ナインが姿を現すと「うわぁ!」「おめでとう!」と歓声が上がり、拍手で出迎えた。祝賀セレモニーも開かれ、JR東日本と同校同窓会が青柳博文監督らに花束を贈った。

 続いて市役所を訪れ、優勝を報告。富岡賢治市長は「全試合素晴らしい試合だった。われわれの誇り。夏も頑張って」とたたえた。箱山主将は「連日、球場に足を運んでくださった方や、市役所で(開かれたパブリックビューイング)の高崎市民の方々の応援があってこその優勝です」と感謝の言葉を述べた。

 同校へ帰還すると、教員や生徒、保護者ら数百人が拍手で迎え、選手らも笑顔で応えた。創部から指導を続けてきた青柳監督は「23年前に目の前のテニスコートで発足させ、練習を始めたことを思うと涙が出る」とこれまでの歩みを振り返った。

 その上で「優勝は皆さんの声援を励みに、選手たちが泥くさく一生懸命やった結果。あすから練習をしっかり重ね、春夏連覇を目標に地元から応援されるチームを目指す」と力を込めた。

県民栄誉賞も検討

 第96回選抜高校野球大会で県勢初の優勝を果たした健大高崎硬式野球部に対し、県が県民栄誉賞の授与を検討していることが1日、関係者への取材で分かった。高崎市も同日、市文化スポーツ特別賞を贈ると発表した。

 県民栄誉賞は社会に明るい希望と活力を与え、本県の名声を高めるのに顕著な功績があった個人や団体が対象。山本一太知事が担当部局に指示した。これまでに日本人初の女性宇宙飛行士となった向井千秋さんや夏の甲子園で優勝した桐生第一と前橋育英など、7個人・団体が受賞している。

 高崎市の賞は学術や芸術、スポーツ分野で権威のある全国規模のコンクールや大会で優秀な成績を収め、市の名声を高めた個人・団体に贈られる。2013年の全日本大学野球で上武大が優勝したのを機に創設され、今回で2例目。富岡賢治市長は「市民に勇気と感動を与えてくれた功績を大いにたたえたい」とした。

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