東京・葛飾区/中川沿川でかわまちづくり推進、金町で24年度設計着手

東京・葛飾区は2024年度、区内を流れる中川沿川で水辺の魅力を生かしてにぎわいを生み出す「かわまちづくり」の取り組みを本格化する。初弾としてJR常磐線の橋梁付近で、にぎわい拠点となるテラスや船着き場を建設。24年度は基本設計に着手する。区は将来的に沿川に4カ所のにぎわい拠点と、3カ所の船着き場を設ける方針。河川管理者の国土交通省と協力して段階的に整備する。地元協議会と連携し、運営体制の構築も進める。
24年度予算に関連経費50百万円を計上した。うち常磐線橋梁付近の「金町拠点」の基本設計費に28百万円を充てる。計画推進支援業務の発注や、着工記念式典の開催も予定する。
金町拠点の建設予定地は新宿6の1。常磐線金町駅の西約1キロに位置し、周辺には東京理科大学葛飾キャンパスや大規模集合住宅などが立地する。計画ではウッドデッキを設けてパラソルや椅子などを置き、キッチンカーやオープンカフェが営業できる環境を整える。照明や案内板も設置する。
今後は同様の拠点を▽青戸(2カ所)▽高砂-の各エリアに整備。水辺の散策路で接続するほか船着き場を使った舟運事業も展開し、中川を軸に人流を活性化する。中川は区内を南北に流れ、船着き場は金町拠点が最北、青戸拠点が最南となる。
シェアサイクルを導入し、沿川の移動を一層円滑化する。一連の取り組みは地域住民や民間事業者で構成する「中川かわまちづくり協議会」と連携して推進。協議会はイベントの誘致・開催や舟運事業、美化活動などを担う。
国交省が設けているかわまちづくり支援制度では、地方自治体が「かわまちづくり計画」を作って同省に申請。登録されれば必要となる河川管理施設の整備をはじめ、ハード・ソフト両面から支援を受けられる。区は23年6月に申請し、同8月に登録を受けた。

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