建設各社が24年度入社式/働き方の転換期に若手の力必須、変化へ挑む姿勢に期待

ゼネコンなど建設関連各社が1日、入社式を開き、2024年度の新入社員を迎えた。各社トップメッセージでは、時間外労働の上限規制を引き合いにワーク・ライフ・バランスの充実を求める言葉が目立った。働き方改革という大きな転換期を迎える中、各社は「柔軟な発想と行動力、対応力、多様な個性を持った若者の力を必須」と捉え、チャレンジ精神で変化に挑む姿勢に期待を寄せる。=2、6、7面と3、4日付に各社のトップメッセージ
5月に創立150周年となる西松建設の高瀬伸利社長は「コーポレートスローガンとロゴマークを一新した。これから150年を共に支えてほしい」と語り掛けた。1日付で社長に就任した三井住友建設の柴田敏雄社長は「一人一人が幸せを感じ、未来に向けて一歩一歩着実に成長することを期待する」と述べた。
鹿島の天野裕正社長は「社会資本を提供する使命を負った社会性、公共性の極めて高い産業だ。技術や知見を着実に習得しながら、人間形成の糧としてほしい」と建設業の意義を説き、エールを送った。
働き方改革など建設業を取り巻く環境が変化する中、1日から新たに経営のかじ取りを担う熊谷組の上田真社長は「変革の時代に技術と柔軟な発想で、時代に即した付加価値の創出が求められる。若い力と既成概念にとらわれない発想に期待している」と呼び掛けた。大林組の蓮輪賢治社長は「今後は、変化する外部環境に合わせて、適切な工期、適切な価格を確保しながら、業務を進めることが重要となる」と強調した。
清水建設の井上和幸社長は「世の中の『当たり前』が変化している。単に踏襲するのではなく、考えて行動する。変化への適応力のある人材に成長してほしい」、大成建設の相川善郎社長は「建設業界は変革の波が押し寄せている。慣習や常識にとらわれない、新しい大成建設を作る主役となることを期待している」と呼び掛けた。
竹中工務店の佐々木正人社長は「チャレンジする革新への意識を持ち、個性豊かで創造的な社会人に育ってほしい。新しい力が会社の成長の原動力となる」と語った。
本年度の新入社員は上限規制が適用された新たな在り方での一期生となる。単なる労働時間縮減ではなく、魅力ある建設業への転換が求められる。未来に希望を持って業界に入ってきた担い手が伸び伸びと活躍できる場や労働環境の提供が一層重要となりそうだ。

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