CCUS運営協/24年度事業計画決定、履歴蓄積環境整備に重点

官民で構成する建設キャリアアップシステム(CCUS)運営協議会(会長=塩見英之国土交通省不動産・建設経済局長)が3月28日に開いた総会で、2024年度の事業計画を決定した。取り組み目標として収入の安定確保が見込める「低位推計」の達成に必要な技能者登録10万人、一人親方を除く事業者登録1万社(更新2・7万社)、就業履歴数7800万件を目指す。就業履歴蓄積数の一層の増加をはじめとするCCUSの利活用促進に構成団体一丸で取り組む。
23年度の登録実績は技能者26・4万人(目標20万人)、一人親方を除く事業者2・5万社(2万社)、就業履歴数5448万件(6000件)となる見込み。初年度だった事業者登録の更新は3月24日時点の申請数で6329社(0・7万社)となっている。
就業履歴数が目標を下回る見通しとなり、24年度はさらに高い目標を掲げることから、履歴蓄積の環境整備に向けた取り組みを一段と強化。元請の取り組み状況に応じたきめ細かな支援や働き掛けを行う。市区町村を含めた公共発注者へのアプローチとして、履歴蓄積を評価するCCUS活用モデル工事の導入などを促す。特に技能者にとってCCUSの魅力を高める観点で、発注者やエンドユーザーに能力評価(レベル判定)を認識してもらい、受注機会の拡大につなげるための広報を強化する。
総会では次期システムへの更新基本計画書も提示された。データ量の増加や処理時間の長期化に対応するためデータの蓄積方法を変更し「持続可能なシステム」に転換する。機能別のシステム分散化などでシステム障害にも備える。24年度に要件定義書を確定しシステム調達手続きに入る。25年度からの2、3カ年で更新完了を想定する。システム更新の経費は積立金で対応。取り組み目標の達成を前提として24年度中に積み立てに一定のめどを立てるため、当初に10・5億円を支出計上する。

© 日刊建設工業新聞社