「バスを利用しているので困ります…」北海道の路線バス “ダイヤ改正”で大幅な減便&廃止も 運転手不足に加え労働時間の規制が始まる「2024年問題」が影響「バス事業者単独で打てる策は非常に厳しい」

北海道では4月1日からダイヤ改正で路線バスの大幅な減便が始まりました。運転手不足に加え労働時間の規制が始まる「2024年問題」が影響しています。「バス停の撤去作業が始まりました、今回のダイヤ改正では減便に加え、完全に廃止となる路線もあります」(新崎真倫記者)

じょうてつバスでは4便が廃止

札幌市内を走るじょうてつバスでは、4月1日から中の島駅前と豊平区役所前までを結ぶ4便が廃止となりました。「どうしようかなって悩んでます。あそこに空車が結構停まってたんですよね、タクシー。(これからはタクシーを使う?)もうそれしかないですもん。交通費かかりますよ」(利用客)4月1日から始まった夏ダイヤの運行では、減便や廃止が相次いでいます。市内を走る路線バス86便を減便していて、これは全ての便数の約1割に当たります。「車がないので基本的にバスを利用しているので困ります。不便だけど、いまある便でなんとかやりくりしないといけないと思っています」(利用客)このほか、北海道中央バスでは札幌圏で約230便、小樽や千歳、空知を含めると計313便の大幅な減便となりました。

慢性的な運転手不足が背景に

相次ぐ減便の背景にあるのが、慢性的な運転手不足です。交通経済学を専門とする北海学園大学の藤田知也准教授は、運転手確保には労働条件の改善が必要だと指摘します。「正直、バス事業者単独で打てる策は非常に厳しいと思う。賃金は上げた方が良いけれど、企業の資源的に厳しい。まずは労働条件を良くする取り組みを公が責任をもってやらないといけない」(北海学園大学 藤田知也准教授)さらに、路線バスの運行を現状の形で維持する難しさについては…「定山渓方面だとホテルがやっている送迎バスを上手く分散させる方法を考えなければ。観光客が使うバスと市民が使う路線バスを共存できるところは共存させる。もしかしたら貸切バス事業者の力が必要になってくるかもしれない」(藤田准教授)地域の足を守るための対策が求められています。

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