早くも2発!中田翔は中日を救えるか?実はバンテリンドームと好相性を示すデータ

ⒸSPAIA

開幕戦でサイスニードから、3戦目にヤフーレから特大弾

巨人から中日に移籍した中田翔内野手(34)が開幕カードで早くも2本塁打を放った。

3月29日のヤクルトとの開幕戦(神宮)、5回にサイスニードから打った瞬間に分かる特大の勝ち越し1号ソロをレフトスタンドに放り込んだ。チームは逆転負けを喫したが、中田個人としては9回にも左犠飛を放つなど2安打2打点の好スタートを切った。

延長12回引き分けとなった2戦目は4打数1安打。3戦目は4回にヤフーレからまたしてもレフトスタンドへ特大の2号ソロを放ち、3試合で12打数4安打の打率.333、2本塁打、3打点と上々の成績を残している。

4月1日現在、プロ通算1527安打、305本塁打、1065打点をマークしているプロ17年目の34歳。日本ハム時代の2014、2016、2020年と3度の打点王に輝いたスラッガーは、昨季12球団最少の390得点、71本塁打だったチームから求められる働きをしている。

バンテリンドームで30発打った日本人は福留孝介と和田一浩のみ

本拠地のバンテリンドームナゴヤが開場した1997年(当時ナゴヤドーム)以降、中日の日本人選手で30発をマークしたのは福留孝介が2度(2003年34本、2006年31本)と和田一浩(2010年37本)が1度の計3度しかない。

外国人を含めても、ここ10年では2017年のゲレーロ(35本)のみ。昨季はチーム最多の細川成也でも24本だった。

両翼100メートル、中堅122メートルで外野フェンスも高い。中日が得点力不足に苦しむ現状は、球場の広さと無関係ではないだろう。

中田翔は広い札幌ドームを本拠地とする日本ハム時代の2020年に31本塁打、2015年に30本塁打を放った実績もある。パワーでは日本球界屈指であることは誰もが認めるスラッガーだ。長打で打点を稼いでチームの得点力不足を解消することが何よりも求められている。

バンテリンドームの「AB/HR」は14.4の中田翔

実は中田はバンテリンドームと相性が良い。年度別成績は以下の通りとなっている。

日本ハム時代は交流戦しか訪れることがなかったため打数は少ないが、それでも130打数32安打の打率.246で、そのうち9本がサク越え。本塁打を打つまでにかかる打数を表す指標「AB/HR」は14.4を記録している。

あまり馴染みのない指標のためピンと来ないかもしれないが、平均14~15打数に1本は本塁打を打つ計算。昨季の規定打席到達者の中で12球団トップだったセ・リーグ本塁打王・岡本和真(巨人)は12.3、2位の村上宗隆(ヤクルト)で16.0、3位ポランコ(ロッテ)でも17.2だから、いかにバンテリンドームでよく打っているか分かるだろう。

中田翔自身のNPB通算でも6107打数305本塁打なので、AB/HRは20.0。広いナゴヤドームでこそ、希代のパワーヒッターは本領を発揮しているのだ。

昨季は12球団ワーストのチーム総得点390で、トップの阪神(550得点)とは160得点差があったが、仮に100得点上積みできれば、中日の強力投手陣を考えれば十分に戦える。

2013年以降の11年間でBクラス10度と長期低迷する中日。中田翔が救世主となるか注目だ。



© 株式会社グラッドキューブ