寒空の下で圧巻のピッチング! カブス今永昇太が6回無失点9奪三振、メジャー初登板で初白星の快挙を達成!

シカゴのファンもスタンディングオベーションを贈るほどの、まさに快投だった。現地4月1日、カブスの今永昇太がロッキーズ戦でメジャー初登板を果たし、6回2安打9奪三振と会心のピッチングでメジャー初勝利を挙げた。

この日は気温6度だったが、今永は半袖で臨むなど気合十分。捕手も捕れないほどの落差のスプリットチェンジで、初回から元首位打者のチャーリー・ブラックモンからメジャー初三振を奪うなど、寒さに負けることなく立ち上がりから好調ぶりを示した。

2回以降はさらにギアを上げ、4シームでガンガン押したかと思えば、時にはスプリットチェンジで空振りを奪うなど、まさに本格派の投球。結局5回までに出した走者はエラーでによるひとりだけで、無安打無四球8奪三振という圧巻のピッチングを披露した。

6回も2死までは調子よくとったものの、そこからブラックモンに初安打を許して“デビュー戦ノーヒッター”の夢は破れたが、球場のファンは総立ちで今永を称えた。その後今永がブレンダン・ロジャースに連打を浴びて2死一、二塁のピンチを招いた時も、球場から励ましの声援が盛んに上がっていた。

カブスファンの声に応えるように、今永もここでギアを上げる。3番ノーラン・ジョーンズに対する初球を前にピッチクロック違反を犯して1ボールを与えたものの、その後はアウトローのボールを2球ファウルにさせてカウントを稼ぎ、最後は真ん中にズバッと4シームを決めてこの日9個目の三振。雄叫びをあげながらマウンドを降りる今永に対して、ひときわ大きな歓声が上がった。

この直後、クレイグ・カウンセル監督からベンチで労われ、降板を告げられた今永。この時点で味方は無得点だったが、今永の快投に打線が奮起する。イアン・ハップと鈴木誠也が連打で出塁すると、1死の後4番クリストファー・モレルが三遊間を割るタイムリーヒット。しかもロッキーズの守備が大きく乱れてモレルまでもホームインし、一挙に3点を奪って今永に勝ち投手の権利を与えた。

カブスはその後、7回にも満塁のチャンスを作って2点を追加。8~9回はドリュー・スマイリーがきっちり締めて、今永にメジャー初登板初白星がついた。

構成●SLUGGER編集部

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