“最年長”柏木由紀が在籍17年でついに卒業…AKB48は今後どうなってしまうのか?(ブレーメン大島/プロアイドルヲタク)

柏木由紀(C)AKB48

AKB48の最年長メンバーの柏木由紀(32)が、17年間在籍した同グループをついに卒業。先日、「ぴあアリーナMM」で卒業コンサートも開催されたが、お姫さま風の純白の衣装も話題になった。ここでは彼女の今までの歩みとグループの今後についてつづってみたい。

2006年12月にAKB48の3期生として加入した柏木由紀。アイドルに憧れた少女が夢の一歩を踏み出すと、AKB48の新しいチーム「チームB」所属となり、同期の3期生とともに、劇場公演に出演する日々が続いた。

AKB48では前田敦子や大島優子らが人気メンバーとして活躍する傍ら、劇場公演以外の露出が少なかった柏木は、黙々とステージをこなし、握手会などでファンとコミュニケーションを取り、07年7月に発売されたシングル「BINGO!」で初の選抜メンバーに選ばれた。柏木人気もどんどん上がり、柏木を見に劇場に来るファンも急増した。

AKB48が人気が高くなると、別の仕事などの兼ね合いで、柏木を筆頭に人気メンバーは劇場公演に出なくなる日が続くようになった。それでもAKB48は最も多いときで140人ものメンバーが在籍していたこともあり、劇場公演は常に盛り上がりを見せてくれていた。

劇場公演にあまり出ていない人気メンバーたちは、メディアを通じてAKB48の劇場公演をアピールすることもあり、劇場公演にどんなメンバーが出演しても人気も高く、チケット争奪戦に。簡単に公演を見ることさえできなくなりつつあった。

■グループの精神的支柱

次第に人気メンバーはグループを卒業して、全盛期を知るメンバーも少なくなり、全盛期を知る柏木が、AKB48の精神的支柱として孤軍奮闘していた。そんな柏木が、AKB48の卒業を発表。柏木が抜けることで、一般的に知られているメンバーは皆無になり、世間から遠ざかってしまうように思われている。

柏木の去った後のAKB48はどうなのか、なんて考える人もいるだろうが、そんな心配はない。これまでも劇場公演には人気メンバーが出ないことも多く、今までの劇場公演とさほど変わらないだろう。残されたメンバーが奮起して、再び柏木のようなスターが出てくることを願ってもいいのではないかと思う。

そもそもAKB48とは「会いに行けるアイドル」がコンセプトで、劇場にフラッと行って公演が見られることがモットーである。世間的には、名のないメンバーばかりになってしまったが、AKB48発足当時は、無名のメンバーが一生懸命に公演をやることで、多くのファンのハートを掴んでいった。現在も小栗有以・千葉恵里・山内瑞葵らのシングルのセンター経験者のメンバーや、新しく19期生も加入した。さらにスタートしたばかりのマレーシア・クアラルンプールを拠点に活動するKLP48に、AKB48から行天優莉奈、黒須遥香、山根涼羽、さらにSTU48の甲斐心愛の移籍も決まった。AKB48のみならず、姉妹グループにも大きな変化が起きている。柏木が卒業してからも新たな展開が待っているので、進化するAKB48が見られるのではないかと思う。

なお柏木は4月30日にAKB48劇場で卒業公演が行われる。本拠地での最後となる公演で、アイドル人生の集大成を見せてくれるに違いない。

(文=ブレーメン大島/プロアイドルヲタク)

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