2次避難者「いつか恩返ししたい」 滞在期限終わり富山県黒部市から石川へ

石川県加賀市のホテルに向かうバスに乗り込む避難者=宇奈月グランドホテル

 能登半島地震を受け、富山県黒部市宇奈月温泉の湯快リゾート宇奈月グランドホテルに2次避難していた石川県輪島市の被災者が1日、ホテルを出て、石川県内に戻った。この日まで22人が滞在しており、ホテルや黒部市の関係者に感謝の思いを伝えるとともに「いつか恩返しをしたい」と語った。 

 宇奈月グランドホテルは石川県からの要請を受け、1月下旬から2次避難を受け入れた。避難者は最大で84人。黒部市職員が毎日ホテルを訪れ、健康や住まいの相談に応じた。マッサージやヨガ教室などのボランティアも行われた。

 その後、多くの避難者が親類宅やみなし仮設住宅などに移り、22人となっていた。同ホテルは石川県との協議で受け入れ期間を4月1日までとしており、希望者18人は加賀市の系列ホテルに移ってもらうことにした。残りの4人は自宅などに戻るという。

 1日は、それぞれスタッフらにあいさつし、ホテルを後にした。系列ホテルに移る18人は昼ごろ、バスと車に乗り込んだ。小中幸一支配人から「頑張ってもらいたい」と声をかけられると、避難者は拍手を送り「ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えた。バスと車が出発すると、窓から手を振って別れた。

 母親、妹とともに約2カ月間滞在した自営業の亀田美穂さん(53)は「ホテルや黒部市の人にはすごくお世話になり、よくしてもらった」と語った。

 自宅の断水が解消するまでホテルでの生活が続くが「普通の生活が送れるようになったら、旅行で黒部に来て恩返しがしたい」と話した。

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