指名手配犯となり拘束された男が、獄中で刻んだ“魂のラップ”を録音しスーパースターに『RHEINGOLD ラインゴールド』

『RHEINGOLD ラインゴールド』©2022 bombero international GmbH & Co. KG / Palosanto Films Srl / Rai Cinema S.p.A / Lemming Film / corazón international GmbH & Co. KG / Warner Bros. Entertainment GmbH

ドイツに実在するラッパー、音楽プロデューサー、実業家でもあるカターの自伝に基づく、驚愕のスクリューボール・サクセスストーリー『RHEINGOLD ラインゴールド』が、現在劇場公開中だ。このたび、本作より、獄中からスーパースターへ成り上がる姿を切り取った本編シーンの一部が解禁。さらに、規格外に破天荒なラッパーの実話に魅せられた著名人たちから感銘のコメントも到着した。

規格外に破天荒なラッパーの実話

クルド系音楽家のもとに生まれたジワは、亡命したパリで音楽の英才教育を受け、ドイツのボンに移り住むが、両親は離婚、底辺生活に。ストリートで勝つためにボクシングを覚えたジワはカター(Xatar:危険なヤツ)となり、金塊強盗をして投獄される。しかし、刑務所でレコーディングした曲がヒット、文字通り“ギャングスタ・ラッパー”になり、音楽プロデューサーとしても成功してゆく。亡命、両親の離婚、貧困にあえぎながら、犯罪もいとわず自身の力で成り上がり、2枚のアルバムがチャート1位を獲得、手掛けたレーベルでもヒットを飛ばす。

監督は、『女は二度決断する』で「ゴールデングローブ賞」外国語映画賞を受賞したほか、世界三大映画祭で主要賞を獲得するなど、世界中で高い評価を受けているドイツの若き才能、ファティ・アキン。本国ドイツでは、DC 映画『ブラック・アダム』を抑え、約1000万ドルの興行成績を上げた、アキン監督作品史上最大のヒット作。

魂を震わせる“獄中レコーディングシーン”公開

仲間から調達したレコーダーを手に、狭いベッドの上でまだタイトルのないヴァースを生み出すカター。「戦場で育つということは?」「ここと戦場は大違い」…。イスラム革命の最中に産まれてすぐ一家で逮捕されたという、刑務所から人生が始まったカターが刻む魂のラップミュージックは、面会に来る仲間たちの手を借りながら、鉄格子の中で完成に近づいていく——。

カターを演じるのは、今ドイツで最も勢いのある俳優のエミリオ・ザクラヤ。EMILIO名義でミュージシャンとしても活動している注目の若手俳優が、カター本人に匹敵するラップスキルを披露している。

<コメント>

小島秀夫(ゲームクリエイター)
いつも時代に喧嘩を売ってきた“我らのファティ・アキン”が帰ってきた。バイオレンスとユーモアが同居するPOPでダークな青春伝記ノワールを引っ提げて。これはアキン監督が、映画のリリック(lyric)で“ライム(rhyme)”と“フロウ(flow)”をフリースタイル(freestyle)で謳いあげた“ラップ(rap)”・オデッセイだ。これまでのファティ映画全部入りで、高純度!どこかに潜んでいる希少な“痛さ”は、溶けやすく、観客の中に流れては固まり、頑固に留まる“黄金”のようだ。

木村昴(声優)
ラップミュージックの偉大さが、またひとりのラッパーによって証明された。その光は、どんなルーツを持とうと、どんなに深い悲しみのどん底にいようと、上を見続ける者に降り注ぐ。「俺はまだまだこんなもんじゃないだろ?」と強く思わせてくれる、そんな映画でした。

稲葉友(俳優)
家族との絆の描かれ方が素晴らしく、紡がれた物語からXatarの圧倒的なバックボーンにのめり込み、その先で生まれた音楽に痺れました。

入江悠(映画監督)
すさまじい人生だ。だけど、どこにいても歌は、詩は書ける。好きで身につけたラップは自分を裏切らない。そのことに感動する。

樋口毅宏(作家)
序盤は社会派映画、途中から『ストレイト・アウタ・コンプトン』www こんなファニーな映画はちょっとない。

テラシマユウカ(GANG PARADE)
寄り道ばかりの波瀾万丈な運命を憎まず、荒々しさまで鋭く貫く。他人の人生でこれ程までに挑発され興奮したことがあっただろうか。枠にはまらない青春の可能性を感じる映画だ。

ダースレイダー(ラッパー)
“法治”に属することが出来ない人たちはどう生きるか?自分たちの掟で生きていくしかない。母から継承した勇気と強靭な意志、クズな父親から継承した音楽の才能をもとに仲間たちと生き抜くカターのヒップホップ哲学!

鈴木涼美(作家)
生まれた場所や家庭によって、一度は闇に生きざるを得ない者がいる。気を抜けば死ぬような日々の中でつかみ取った眩い音と栄光は、誰かの犠牲を伴うものだったとは思う。だからといって我々は「過去」を理由に簡単に人を葬り去ってよいのだろうか。

Blumio(ラッパー)
映画でしかあり得ないような、ドイツでは誰もが知るラッパーXatarの衝撃的なライフストーリーが映画化。スリルも笑いもたっぷり。これぞリアル!ラップファンは必見!

EDWARD(我)(アーティスト)
様々な逆境に立ち向かう不器用な主人公に最後まで魅了されました。 彼の生き様全てがリアル。 音楽は人を救うためのものだったんだ、と思い出させてくれる最高の映画でした。

沖田遊戯(芸人/映画 YouTuber)
良い子も悪い子も真似できない壮絶で強烈なスターの誕生譚!銃声と音楽が鳴り響く人生で、血だらけで成り上がっていく男の生き様に震えた。

Jun Fukunaga(ポップカルチャージャーナリスト)
タフなストリートライフとシリアスな移民のリアルを ライムとビートに乗せて描くヒップホップ映画だ。実話を元にしたスリリングかつリリカルなヒューマンドラマが胸を打つ。

ビニールタッキー(映画宣伝ウォッチャー)
イラン生まれドイツ育ち、移民の仲間は大体友達。暴力とドラッグにまみれても止まない音楽への愛とラッパーになる夢。ワイルドな生き方を選ぶしかなかった男が「黄金」を掴むまでの壮絶で破壊的な奮闘記。

氏家譲寿(ナマニク)(文筆業/映画評論家)
力が人生を曲げ、力で人生を延ばす。 音楽が生き方を変えるのではなく、音楽で生き方を変える。ストリートだけでは得られない、抗いの音に体が揺れた。

人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)
Xatarの力強いラップの裏にある過酷で破天荒な生き様。それをドライブ感溢れる編集で前のめりに描き切る。自伝の結末をどこで区切るか。その一つの答えが本作のラストにある。

『RHEINGOLD ラインゴールド』は全国公開中

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