FCマルヤス岡崎 即戦力として活躍するルーキー菊地孔明(大分高出身) 【大分県】

チームの起爆剤として活躍する菊地孔明(大分高卒)。JFLのFCマルヤス岡崎に大卒ルーキーとして加入した今季、開幕戦から3試合連続で先発の座を射止めた。4節のヴェルスパ大分戦では途中出場ながら今季2得点目を決め、チームに新たな刺激を与えている。

大分中の頃から県内では名をはせ、得点力の高い攻撃的MFとして活躍する。高校はそのまま大分高に進級し、2年と3年時には全国高校サッカー選手権に出場。同学年にはJ1アビスパ福岡で活躍する重見柾斗、1学年上にはJ2鹿児島ユナイテッドFCの山口卓己がいた。卒業後は関西大に進学し、「プロを目指した」が簡単ではなかった。150人以上の部員がいる大所帯で三つ目のカテゴリーからスタート。レベルの高さを痛感しながら、2年時からトップチームに入ったり、抜けたりを繰り返し、4年時にようやく花開いた。

開幕から4試合で2得点と活躍

同学年の5選手はJ1、J2、J3から声がかかる活躍を見せたが、関西学生リーグ(1部)ではコンスタントに試合に出ていた菊地のアピールは届かなかった。それでもサッカーを続けたいとの思いは強く、JFLや地域リーグに所属するチームの練習に参加し、2月半ばに岡崎に加入することが決まった。井幡博康監督は「まだまだ線が細いが、技術はしっかりしている。フィジカルを中心としたサッカーなら厳しいが、うちはパスをつなぎ、立ち位置や技術で勝負するチーム。菊地には合っていると思う」と歓迎した。

フィジカルコンタクトや球際、切り替えの速さに戸惑うところはある。しかし、菊地にはそれらを補って余る高い技術があり、状況判断も適切で、常に相手の嫌がるスペースでボールを受けてチャンスをつくり出す想像力がある。慣れ親しんだトップ下、サイドでなく、岡崎では中盤の底のボランチで開幕から試合に出ている。4節の大分戦では攻撃の切り札として途中からピッチに立ち、菊地のパスを起点にカウンターを発動し、最後は自身でゴールを決めた。「大分の慣れ親しんだグラウンドで得点できて気持ちいい。やっぱり俺は持ってます!」と満面の笑顔で語った。新たなカテゴリーで順調なスタートを切り、今季は「2桁得点、2桁アシスト」を目指す。その先にプロの扉が開くことを菊地は知っている。「プロを諦めていない。俺も重見と山口君と同じ土俵で戦いたい。2人の活躍は刺激になっている」と活躍を誓い、故郷の大分を後にした。

故郷で存在感をアピールした菊地孔明

(柚野真也)

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