青森県内、早朝の震度5弱 三八上北地方で観測、けが人も 鉄道、高速道路に影響

災害警戒本部を設置し、被害の確認を進める八戸市危機管理部の職員=2日午前5時5分、八戸市庁
歩道の点字ブロックの隙間から水があふれる現場を確認する消防や警察などの関係者=2日午前6時3分、八戸市類家3丁目
震度5弱の観測を伝えるテレビを見つめる三沢市の防災管理課職員=2日午前4時42分、三沢市役所
野辺地町役場で県からの電話に対応する防災管財課の職員=2日午前5時23分
電話の対応に追われる三沢市の防災管理課職員=2日午前4時43分、三沢市役所
運行見合わせの情報を案内板で確認する利用者=2日午前6時47分、JR本八戸駅
掲示板や画面表示で運行状況を確認する乗客ら=2日午前6時ごろ、青い森鉄道三沢駅

 2日午前4時24分ごろ、三八上北地方で最大震度5弱の地震が発生した。津波の心配はない。同日午前7時半現在、八戸市で地震によるけが人が1人確認されている。鉄道の運休や高速道路の通行止めなど、交通の一部に影響が出ている。

 気象庁によると、震源地は岩手県沿岸北部で、震源の深さは約70キロ。地震の規模はM(マグニチュード)6.0。震度5弱を八戸市、三沢市、野辺地町、五戸町で、震度4を十和田市など県内各地で観測した。

 八戸市は午前4時24分、災害警戒本部を設置。職員が情報収集を行った。館合裕之危機管理部次長は午前5時20分ごろ、「辺りが明るくなり、これから被害が確認される可能性もある。引き続き情報収集にあたる」と語った。

 八戸消防本部によると、八戸市の70代女性がベッドから転落し、左手首と額にけがを負った。

 八戸市類家3丁目では、スシロー八戸店脇の歩道から水があふれ、警察や消防、市の担当者らが確認に回った。八戸圏域水道企業団によると、地震の影響で同企業団の配水管から水が漏れ、点字ブロックの隙間から路面にあふれ出た。現場ではあふれた水が20メートルほど路面を濡らし、駆け付けた警察や消防などが状況を確認していた。

 同市の武尾恵子さん(73)は「急でびっくりした。すぐに自宅の入り口を開けて逃げる場所を確保した。東日本大震災のこともあり、怖い」と話した。集合住宅に住む同市の60代女性は「自宅では物が落ちたり冷蔵庫が傾いたりした。地震のせいか、周りの人も起きて電気をつけていた」と語った。

 震度5弱を観測した三沢市の市役所本館には午前4時40分すぎから職員が集まり始め、やがて災害警戒本部が設置された。小桧山吉紀市長ら市幹部が出席した同本部による会議で、人的被害がないことが報告された。

 三沢漁港に近い鹿中地区に住む主婦(78)は「ガタガタと戸がきしみ、縦揺れがいきなり強くなったので飛び起きた。家族に被害がなかったのでよかった。息子が漁に出ていて津波を心配したが、来ないことが分かってほっとした」と安どの色を浮かべた。

 野辺地町は午前5時20分現在、被害の情報は入っていない。町役場には発生直後から防災管財課の職員ら約30人が集まり情報収集などに当たった。

 同町野辺地のコンビニでは物が倒れたり棚から落ちたりするようなことはなかった。店員の田名辺真澄さん(58)によると、下から突き上げるような揺れの後、強い横揺れが始まったという。田名辺さんは「普段も店の前をトラックが通ると揺れるが、それとは違うなと思ったら強い揺れが来てびっくりした。被害がなくて安心した」と話した。

 五戸町では激しい揺れが長く続いた。それでも町総務課によると、地震による被害の情報は特に入っていないという。町中心部のコンビニでは、商品が棚から1個落ちたぐらいで、特に被害はなかったという。午前6時40分ごろ、仕事場に向かうアルバイト男性(63)は「揺れが長かった。家に被害がなくてよかった」と話していた。

 また、十和田消防本部によると、地震後、午前4時40分から50分ごろにかけて80代女性2人を十和田市内の病院に救急搬送した。いずれも外傷は見当たらず軽傷とみられる。地震との関連は不明。

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