酒田港整備に26億1000万円 洋上風力発電、事業化を加速・国交省の24年度予算配分

 国土交通省は1日、2024年度の公共事業予算の配分(箇所付け)を発表した。促進区域となり事業者を公募している遊佐沖など、本県沖合での洋上風力発電の事業化に向け、酒田港の岸壁整備などに26億1千万円を配分した。県内の高規格道路の横軸となる「石巻新庄道路」は、整備の具体化に向けた検討に着手する。

 遊佐沖では国内最大級の風車が並び、40~50万キロワットの電力を生み出す計画となっている。国は酒田港の外港地区に県が設ける「大浜西ふ頭」を活用し、大型風車の支柱やブレードなどの部材を運び込む大型貨物船の出入港や、部材の仮置き場などとして岸壁(延長230メートル、水深12メートル)や航路、停泊域を整備する。

 風力発電施設の整備拠点となる「基地港湾」指定に向けた機能強化の一環。24年度は大型風車の各種部材の荷重に耐えられるよう、地盤改良工事などを行う。事業名は「外港地区国際物流ターミナル整備事業」で、期間は27年度までを予定している。

 石巻新庄道路は新庄市と宮城県石巻市を結び、延長約110キロ。1998年に候補路線となった後、目立った動きがなかった。国は24年度、関係自治体と連携し、整備計画具体化に向けた検討に入ることになり、事業化へ一歩前進する。

 このほか道路関係は、山形市の国道112号山形南道路(延長約9キロ)で環境影響評価(アセスメント)などに向けた調査を行う。国道47号新庄古口道路(延長10.6キロ)は未開通だった6キロ区間が開通する。

 河川関係では、最上川水系の角川流域(戸沢村)で土砂災害を防ぐ八幡沢第5砂防堰(えん)堤を新たに整備する。老朽化している最上川さみだれ大堰(おおぜき)(酒田市)のゲートを更新する。

 吉村美栄子知事は酒田港整備に関し「洋上風力発電事業が促進することは大変喜ばしい」、石巻新庄道路については「太平洋側と日本海側を結び、産業や観光振興、災害支援で重要な路線だ」とコメントした。

◇主な県内事業の予算配分

【道路】 ▽国道13号新庄金山道路 48億8000万円 ▽国道113号小国道路 20億円 ▽国道7号遊佐象潟道路 75億円

【河川】 ▽最上川水系直轄砂防事業 24億5400万円 ▽最上川上流 須川地区河道掘削事業 7億7300万円 ▽最上川下流 最上川さみだれ大堰ゲート更新 2億200万円

【酒田港】 ▽外港地区国際物流ターミナル整備事業 26億1000万円

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