新たな価値創造に期待 中部の主要企業で入社式

トヨタ自動車の入社式で新入社員と交流する佐藤社長(右から2人目)

 中部の主要企業が1日、一斉に入社式を開いた。各社のトップからは新入社員に向けて新しい価値創造への挑戦や、プロ意識の醸成を求めるメッセージが相次いだ。

 トヨタ自動車が豊田市の本社で開いた入社式では、佐藤恒治社長が新入社員1464人を前に「クルマを好きになってほしい。人の熱量こそがもっといいクルマをつくり、未来を変える原動力になる。多くのクルマに触れて、多様な価値、楽しさを体験してほしい」と呼びかけた。

 会場外には、豊田章男会長の愛車「センチュリー」やスポーツ車「GRヤリス」、田原工場(田原市)で生産している高級ミニバン「レクサスLM」など各工場を代表する車両を複数台並べた。佐藤社長は「人生の新しい1ページが始まる大切な日。クルマ屋の会社に入ったことを実感する1日であってほしい」と話した。

 JR東海は三島市で入社式を開き、丹羽俊介社長が日本の大動脈と社会発展の基盤に貢献する自社の使命感を強調。「現状に満足せずに常に『進化』『変革』に挑戦する姿勢を大切にしてほしい」と呼び掛けた。
 名古屋鉄道の高崎裕樹社長は「会社人間にならなくていい。仕事には苦労がつきものだが、楽しんでほしい。自分の夢を持って成長してくれたら、それこそが名鉄グループに活力と魅力をもたらす原動力になる」と述べた。

 ものづくりの信頼性が問われる中、プロ意識の徹底を求める声も多く聞かれた。デンソーの林新之助社長は「年齢や職位にとらわれることなく、プロとして言うべきことは言う。本音の議論を尽くし、最後は共通の目的に向けチーム一丸で進む。これが大切にしてきた企業カルチャーだ」と訴えた。愛知製鋼の後藤尚英社長は「一緒に働く仲間のために頑張ろう。誰かのために技を尽くせば、限界を超えた成果や成長につながる」とエールを送った。

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