イスラエルのガザ空爆で支援団体職員7人死亡、外国人も

Nidal al-Mughrabi

[2日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザで支援活動を行う慈善団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」は、イスラエルによるガザへの空爆で職員7人が死亡したと発表した。これを受け、イスラエルのネタニヤフ首相は2日、意図しない出来事で「悲劇的」とし、イスラエル軍が独立した調査を行うと表明した。

海上からガザに搬入した食料を中部デイルアルバラの倉庫に届けた後、装甲車両などで移動中に攻撃を受けたという。イスラエル国防軍には輸送経路を伝達していたという。

死亡した職員はパレスチナ人のほか、オーストラリア、英国、ポーランドの市民や米国とカナダの二重国籍者が含まれていた。

WCKのエリン・ゴア最高経営責任者(CEO)は食料不足が深刻な地域で活動する人道団体への攻撃は「許せない行為」と批判した。

WCKはXへの投稿で「職員がガザでの人道的食糧支援活動中にイスラエル軍の攻撃で死亡したという報道を認識している」と述べ、人道支援活動家や民間人は決して標的になってはならないと訴えた。

ネタニヤフ首相はビデオ声明で「残念ながらガザ地区でイスラエル軍が非戦闘員に意図せず危害を加えるという悲劇的な出来事があった」と指摘。「われわれは徹底した調査を行っており、政府と連絡を取っている。再発防止に全力を尽くす」とした。

イスラエル軍も状況を把握するため、最高レベルで徹底的な調査を行っていると発表。「イスラエル国防軍は人道支援の安全な提供を可能にするため多大な努力を払っており、ガザの人々に食料と人道支援を提供するWCKの重要な取り組みで緊密に協力している」とした。

イスラム組織ハマスは声明で、国際人道支援団体の職員を恐怖に陥れて任務遂行を妨害することを狙った攻撃だと批判した。

アルバニージー豪首相は、オーストラリア人支援職員の死亡を確認。イスラエル政府に直接、関与した者に責任を取らせるよう求めたことも明らかにした。

「これは人類の悲劇で全く容認できない。オーストラリアとして完全かつ適切な責任の所在明確化を求める」立場を表明した。また、ガザでの持続的停戦を改めて呼びかけた。

ポーランドは「国際人道法と人道支援従事者を含む民間人の保護の軽視」に対し抗議した。

米国家安全保障会議(NSC)のエイドリアン・ワトソン報道官はソーシャルメディアで「ガザ地区でWCKの職員が死亡した空爆に心を痛めている」と述べた。

WCKは、ガザでの活動を直ちに停止したと表明。今後については近く方針を決めるとした。

WCKは3月にキプロスからガザに支援物資を海上輸送した最初の支援船に関与。WCKによる2回目の支援船は今週ガザに到着した。

WCKは食料を必要とする人々のために援助物資や調理済みの食事を提供している。先月にはガザで175日間に4200万食以上を提供したと発表した。

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