《第96回センバツ》「充実感でいっぱい」 初Vの群馬・健大高崎ナイン、同級生の出迎えに笑顔 地元高崎でも祝福ムード

満面の笑みで撮影に応える野球部員=1日午後5時10分ごろ、健大高崎高

 第96回選抜高校野球大会で群馬県勢初の優勝を果たし、帰郷した健大高崎ナインが1日夕方、高崎市の同校に帰った。正面玄関前で出迎え式が行われ、生徒や教職員、保護者ら集まった約300人から盛大な拍手で祝福されると、選手たちは一様に笑顔を見せた。

 報徳学園(兵庫)との激闘から一夜明け、選手たちはあらためて選抜優勝の偉業を実感した。決勝戦で3点目の適時打を放った高山裕次郎は、友人らとの記念撮影を楽しみ「(いろんな人に祝福されて)充実感でいっぱい」と感無量だった。

 甲子園で22イニング無失点と活躍し、優勝の原動力となった2年生左腕の佐藤龍月は、慣れ親しんだ環境に戻って安心した様子。「同級生の笑顔が見られてうれしい」と優勝をかみしめた。

 甲子園のベンチ入りメンバーは5日まで休養で、控え選手は2日から練習するという。準決勝で群馬県の高校野球史上最速となる球速150キロをマークし、決勝も8回2失点と好投した2年生右腕の石垣元気は「夏までに155キロを出したい。そして次は自分が優勝の瞬間にマウンドに立っていたい」と春夏連覇へ気合を入れていた。

高崎市役所では盛大な拍手

 健大高崎の選手と青柳博文監督らが1日、市役所1階ロビーに到着すると、ファンや市職員から盛大な拍手が送られた。小林良江市教育長から箱山遥人主将に花束が贈られ、富岡賢治市長は「みんな頑張ったね。本当におめでとう」と祝った。

 築紫政治さん(74)=同市鼻高町=は「高崎市の歴史に刻まれる出来事で市民として大変誇らしい」と笑顔。2011年夏の甲子園に出場した同校野球部OBで市職員の小池優太郎さん(30)は「選手の大きな体つきに相当な努力をしているんだなと感じた。今年の春夏連覇は健大しかできない。狙ってほしい」とエールを送った。

高崎高島屋にメッセージボード
 県勢初の選抜大会制覇で、健大高崎の地元の高崎市内も祝福ムードだ。高崎高島屋は1日、1階の入り口付近に健大高崎に向けた、縦約85センチ、横約1.2メートルのメッセージボードを設置した。

 買い物客らの要望で急きょ対応した。ポスター用印刷で、球場のイラストに「優勝おめでとうございます」の文言などを入れた。付箋とペンを用意し、自由に書いてボードに貼り付けてもらう。「感動をありがとう!」といったメッセージのほか、「春夏連覇に向けがんばってください」と激励も寄せられていた。ボードはしばらくの間、設けている。

湯都里では割引キャンペーン
 入浴施設「高崎京ケ島天然温泉湯都里」(同市)では5日まで、1日入館料(中学生以上)を980円から780円とする割引キャンペーンを行う。担当者は「県民として誇らしい。優勝の喜びを皆さんと分かち合いたい」と話した。

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