馬毛島自衛隊基地建設で種子島1市2町に28億円 防衛省、昨年度と同額を交付

自衛隊基地建設が始まった馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)

 防衛省は1日、鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備に伴い、種子島1市2町に通知した2024年度分の米軍再編交付金が計28億3200万円になると発表した。馬毛島では本格的な工事が続いており、昨年度と同額の交付となった。

 内訳も昨年度と同様で西之表市20億7200万円、中種子町5億1800万円、南種子町2億4200万円。防衛省によると、馬毛島北東部の仮設桟橋2本が3月に完成した。資材や燃料、重機を運ぶ拠点となり、滑走路の造成などが加速する。

 24年度当初予算で西之表市は交付金を見込み、「社会基盤・環境」「防災・防犯」「地域産業」「子育て・教育」など6分野に充てた。前年度からの継続事業は23、新規が19となった。八板俊輔市長は現時点で基地整備の賛否を明言していない。

 中種子町は、種子島中央体育館改修や街路灯整備、公共施設トイレの洋式化などに振り分けた。南種子町は8小学校の体育館照明のLED化や堆肥センターの車両購入などに充てた。

 再編交付金は防衛施設の面積や整備状況などに基づき算定する。自治体側は幅広い事業に充てられる半面、首長の反対などで受け入れが進まなければ国の判断で減額・停止できる。24年度は沖縄県名護市など全国11市町村7防衛施設に52億8500万円の交付を見込む。

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