姉が親から教育資金として500万円ももらっていることが分かりました。姉の子は私立の小学校にかよっていますが、そんなにお金がかかるのでしょうか?

首都圏私立小学校初年度納付金ランキング

私立の学校は、公立より費用がかかります。株式会社イード(東京都中野区)が運営する「リセマム」で2022年9月に公表された、「【小学校受験2023】入学初年度納付金ランキング…首都圏」によると、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)で、2023年度の募集要項に掲載された初年度納入金のランキングは、以下のとおりです。

__LCA国際小学校:281万5000円
慶応義塾横浜初等部:187万円
慶応義塾幼稚舎:161万円
学習院初等科:153万6000円
立教小学校:150万8800円__

この結果から、首都圏における私立小学校への入学を考えると、保護者の経済的負担は最大で300万円近くに達すると考えられます。ただし、これらの金額はあくまでも入学時の金額であり、実際の支出はさらに必要です。毎月の給食費や教材費、情報通信技術(ICT)の利用料など、日々の学習活動に伴う費用は別途請求されます。

さらに、特別な教育プログラムや学校行事に参加する際には、追加の出費が生じることが一般的です。これらの費用を支払うことで、子どもたちは質の高い教育環境と多様な学習機会を得ることができます。

私立小学校は6年間で約1000万円必要

首都圏の私立小学校に子どもを通わせるには、毎年相当な教育関連費用が必要です。文部科学省が行った「令和3年度 子供の学習費調査」によれば、私立小学校における学年(年齢)別の学習費総額は以下のとおりで、6年間での合計は約1000万円となります。

__第1学年:213万6449円
第2学年:140万2725円
第3学年:151万9595円
第4学年:159万2088円
第5学年:168万3972円
第6学年:166万4831円
【平均値:166万6610円】
【全学年合計999万9660円】__

1年間に必要な費用(平均値)の内訳は、以下のとおりです。

__学校の教育に直接関わる費用:約96万円
スポーツや文化活動など学校外での活動費:約66万円
給食費用:約5万円__

公立校の6年間の費用合計211万2022円、年平均値35万2003円と比較すると、私立校の教育費は際立って高額です。教育の質や設備の整った環境、さまざまな特別プログラムが提供されることが原因と考えられます。

授業料だけでなく、年に一度の修学旅行や実用的な学習教材も私立校では高めです。また、通学にかかる費用や学校行事、その他必要となる諸経費も総費用に大きく影響を及ぼします。

小学生の塾にかかる費用

小学生の学びを支える塾への出費は、教育費全体のなかでも重要な位置を占めています。「令和3年度 子供の学習費調査」によると、公立校の児童が塾にかける平均費用は、1年間で約8万円、私立校に通う児童の場合は約27万円となっています。学年が上がると、中学受験を見据えた準備が始まり、第4学年になると教育投資は顕著に増えます。

特に、有名中学を目指す進学塾の費用は、6年生になると、授業料や入試に特化した指導費用を含め年間90~120万円程度に達します。進学塾では、定期的な授業のほかにも、夏期講習や冬期講習といった季節ごとの特別講習があり、これらは別料金です。

私立一貫校だとさらに教育費がかかる

統計データが示すところによれば、私立小学校で必要な教育関連費用は6年間で約1000万円です。なお、私立校の場合、 大学まで一貫教育となっているところも多く、大学卒業まで考慮するとさらに高額な教育費がかかることになります。

出典

株式会社イード リセマム 【小学校受験2023】入学初年度納付金ランキング…首都圏
文部科学省 結果の概要-令和3年度子供の学習費調査 令和3年度子供の学習費調査の結果について

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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