「6月議会をもって辞する」“職業差別”発言の静岡県・川勝平太知事が辞意表明 物議を醸した「訓示」の詳細は…

「6月議会をもって職を辞する」静岡県の川勝平太知事が4月2日午後6時15分ごろ、辞意を表明しました。会見は午後6時に始まりました。

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<静岡県 川勝平太知事>
「職業差別は皆無です、ありません。職業に貴賤はないのが基本的な考え方です。きのうの新規県庁職員への歓迎の言葉、励ましの言葉がこんなことになって何か問題発言があったかの如き状況になって本当に驚いています」

Q.SNSを中心に批判の声が上がっていますが?
「それぞれ仕事は違いますね。どれも大切なもので、しかもそれぞれの能力に応じて一生懸命仕事をされている。様々な事情で様々な仕事に就かれている。全部必要なものですね、そこにこちらは尊い、こちらは卑しい、それは全くないというのが私の基本的な考え方です。そして公務員としては公僕として人の役に立つようなことを考えてしなくてはいけない。したがいまして、しっかり勉強しなくてはいけません。知性を磨いてください。それはですね、農業をやっているとか、商売をされているとか、あるいは物づくりをされている方とは違う仕事ですから、従って知性をしっかり磨いてくださいと、そういう意味のことを言った訳です。おそらく、そのようにとってくださったと思っております」

開始から15分後の電撃発言「職を辞そうと思う」

川勝知事は4月2日午後6時から記者団の質問に「差別は皆無」だと答えました。その後、自身の進退について触れました。

<静岡県 川勝平太知事>
「原稿を作った訳ではなく新入職員の顔を見ながら話しておりまして、話す内容は励ます、歓迎する、この2つ以上は述べたことは無かった」

Q.今後の対応で考えていることは?
「ここまでこういう風潮が充満していることに対しては憂いをもっています。そして、どうしたらいいのかと思っておりまして、よく考えたんですけれども、準備もありますからね。6月の議会をもって、この職を辞そうと思っております。以上です」

この問題は、静岡県の川勝平太知事が4月1日、新規採用職員に対し行った訓示の中で、職業差別とも受け取れる発言をしたものです。川勝知事の物議を醸す発言は、これまでにも度々、県議会などで問題となっていてます。

“職業差別”発言 どんな内容だったのか...訓示の詳細

4月1日午後1時、県庁で行われた川勝知事の訓示は全部で20分あまりで、危機管理や心構えについて述べる中で、以下のような発言をしました。

<静岡県 川勝平太知事>
「皆さん優秀ですから、なかなかものが分かってくれない人がいるかもしれない。そういうときにですね、情理を尽くすってことが大切です。理屈ではですね、分かってても、あの腹にストンと落ちない場合があります。ですから、Heart to Heartで心からこうすると本当にいいというように言って差し上げると、ストンと落ちる場合がある。ですから情と理、情理を尽くして、自分が正しいと思う信念を貫くということが大切です」

「はい。そしてですね、そのためにはですね、やっぱり勉強しなくちゃいけません。実は静岡県というのを県庁というのはですね、別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいは物を作ったりとかということと違ってですね、基本的にその皆様方は、頭脳、知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね。それは磨き方はいろいろあります。知性を磨くということ」

「それからですね、やっぱり感性も豊かにしなくちゃいけないと、体がしっかりしてないといけませんね。ですから文武芸、三道鼎立と、文武両道というのがあるでしょう。しかしですね、美しい絵を見たり、いい音楽を聞いたり、映画を見たり、演劇を見たりしたときにですね、感動する心というものがあると望ましい。ですから、自分の知性が、あの人は動かないなと思ってもですね、知性というのを大切にするということが大事ですね。そのためには勉強しなくちゃいけません」

「それから体を鍛えると。しかし、スポーツが苦手な人もいらっしゃるでしょう。スポーツを楽しむことはできますね。見て楽しむことができます。まあ無芸大食の人もいるでしょう。しかし、芸術を愛することはできますから、文武芸、三道鼎立ということでですね、豊かな人間になっていただきたいと思います」

この発言の翌日に飛び出した電撃的な辞意表明。川勝知事は「励ましの言葉がこんなことになって、何か問題発言があったかの如き状況になって本当に驚いてる」と語りましたが、少なからず、表現には問題があったのではないでしょうか。

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