鹿児島県薩摩川内市入来の朝陽地区で、高齢者の買い物を支援する「朝陽たのしいお買い物クラブ」が開始から3年を経過した。脳トレなどを組み合わせて外出を促す取り組みは一定の成果を上げてきた一方、利用者増など課題も見えてきた。
買い物クラブは同地区コミュニティ協議会が2021年4月に始めた。生協コープかごしまと協力して週1回、コミュニティセンターに高齢者が集まって共同購入する。買い物前には毎回、パズルや間違い探しといった脳トレや、絵手紙教室などを楽しむ。
導入の背景にあるのが地区の高齢化。175世帯457人の住民のうち、65歳以上が47%(1月現在)。地区内にスーパーはなく、買い物に行けず困る人の支援が目的だった。
3月中旬の開催日には7人が参加。おしゃべりをしながら、雑誌の間違い探しに挑戦した。1時間余りで生協のトラックが到着し、担当者から事前注文の商品を受け取った。
小椎八重育子さん(72)は「買い物は楽だし、毎週みんなの元気な顔が見られるのも楽しみ」と話す。
参加者数は開始当初から横ばいで、今後増やせるかが課題。高齢な住民の中にも「まだバイクに乗れる」「子供が買ってきてくれる」と参加を断る人もいる。
地区コミュニティ協議会の成枝親久会長(71)は、近い将来に必要とする人が増えると予想。「買い物だけでなく、外に出て人と話す機会にもなる」と参加の呼びかけを続ける。会場に来るのが難しい場合、成枝会長が無償で送迎する意向だという。