【桜花賞/危険な人気馬】前走重賞ウイナーを“消し” 馬券内率4.7%の不安材料に加えて「血の克服も命題」

Getty Images

今週は、3歳牝馬三冠レースの第1弾、第84回桜花賞(GI、芝1600m)が阪神競馬場で行われる。

今年は、昨年の阪神JF覇者アスコリピチェーノを中心に、チューリップ賞を制したスウィープフィート、フィリーズレビュー勝ちのエトヴプレ、アネモネSを制したキャットファイトと、トライアルを制した馬が揃い踏み。加えて、クイーンズウォークチェルヴィニアステレンボッシュといった、重賞実績のある馬にも注目が集まり、抜けた存在のいない混戦模様を呈している。

そんな中、桜花賞歴代最多5勝の武豊が騎乗するスウィープフィートが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

◆【2024桜花賞/特集】出走予定・枠順、予想オッズetc.「本賞金1000万円が出走ボーダーライン」 お役立ち馬券攻略ガイド

■チューリップ賞勝ち馬は鬼門の桜花賞

デビューから5戦、永島まなみが騎乗し、阪神JFにも駒を進めたスウィープフィート。前走のチューリップ賞で武豊を鞍上に迎えると、直線で大外一気の豪脚を繰り出し、鮮やかな勝ちっぷりで桜花賞戦線に名乗りを上げることとなった。勝ち時計1分33秒1は、2016年シンハライトに続くレース史上2番目の速さで、本番でも大いに期待が高まる。

しかし、近年の桜花賞では、実力馬が前哨戦を使わずに、休養明けで一発回答出来る馬が勝つのがトレンド。2018年アーモンドアイ以降は、トライアルを使われなかった馬が6連勝を果たしており、前哨戦組はやや分が悪い。

特にチューリップ賞組は、GIIに昇格した2018年以降【0.5.3.18】と、複勝圏内には届いているものの、勝ち馬を輩出していない。しかも、本番で2、3着に来るタイプはチューリップ賞敗戦組。勝利した馬は、2019年ダノンファンタジー(1人気4着)や22年ナミュール(1人気10着)など、人気を背負って敗戦するケースが目立っており、スウィープフィートの勝ちっぷりに目が行き、過剰に期待することは禁物だ。

また、スウィープフィートの6戦というキャリアの多さも気にかかる材料。過去10年の桜花賞で、キャリア6戦以上の馬の成績は【1.0.1.41】複勝率4.7%と、好走率は一気に下がる。2017年のレーヌミノルだけが、キャリアの多さを克服して勝利しているが、それ以外の9頭の優勝馬は、キャリア5戦以内で、かつ4着以下に敗れた経験がない馬。すでに6戦し、GI阪神JFとはいえ7着に敗れている経験のあるスウィープフィートが勝つのは、かなり難易度が高いと言わざるを得ない。

GI3勝スイープトウショウの血を引く本馬だが、振り返るとその名牝もチューリップ賞を制して桜花賞へ臨むものの、5着に敗れており、血の克服も命題。レジェンド武豊の手綱捌きに期待したいところだが、近年のトレンドを無視するわけにはいかず、人気ほどの妙味はないと考え、今回は思い切って「消し」でいきたい。

◆【2024桜花賞予想/前走ローテ】アスコリピチェーノに“鉄板”条件 チューリップ賞組は「2着以下」に穴妙味

◆【2024桜花賞予想/血統予想】「馬券内率71%」で女王戴冠へ “阪神JF未出走”組に馬券軸推奨の特注データ

◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

© 株式会社Neo Sports