川に春、さおがしなる、腕が鳴る 県内の渓流釣り解禁、足場に注意

解禁を待ちわびて日の出とともにさおを振るった釣り人=1日午前5時3分、東根市関山

 県内各河川で1日、ヤマメやイワナなどの渓流釣りが解禁され、各ポイントにはシーズンを待ちわびた釣り人が繰り出した。暖冬少雪で雪解けが早く進む傾向にあり、関係者は足場の十分な確認など安全な釣行を呼びかけている。

 東根市関山の乱川では、午前5時過ぎから釣り人が流れに向けてさおを振るった。同市の団体職員の男性(40)は、30分ほどで20センチ前後のヤマメを3匹釣り上げ「海釣りを含めて今年初の釣り。この日を待っていた」と笑顔を見せた。

 フィッシングちゃっか屋(新庄市)によると、この日は鮭川支流で18~25センチのヤマメやイワナが20匹ほど釣れたとの報告があった。井上英治店長は「山中に残る雪が少なく、水量や水温が安定している。釣りやすい環境で、既に多くが楽しんでいるようだ」とする一方で、「雪解け水で急な増水の恐れもある。気をつけてほしい」などと話した。

 酒田市では風が強く「渓流の釣果情報はまだ少ない」と上州屋酒田店(同市)の担当者は話す。「用具や餌を買いに来た人はいたので、本格的に釣果が出てくるのはこれからになると思う」と展望した。

 県内水面漁業協同組合連合会は「例年より雪が少ない分、融雪が早く、足場が緩んでいる危険性がある」として注意喚起している。この日はヒメマスやニジマスのほか、最上川水系と赤川以外の各河川でサクラマス釣りが解禁された。

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