休憩中にスマホゲームをしていたら、上司に「仕事が遅いのにゲームしてる場合?」と注意されました。休憩時間は好きに過ごしていいはずですよね? 仕事する義務はないと思うのですが…

労働時間と休憩時間とは?

まずは労働時間と休憩時間の定義について解説します。

労働時間の定義

厚生労働省によると、労働時間の定義は「明示・暗示を問わず、使用者の指揮命令下にある時間」とされています。

実際に業務にあたっている時間や会議に参加している時間はもちろんのこと、業務の準備や片づけ、掃除をしている時間も労働時間にみなされます。

また上司の明確な指示がなくても、昼休憩中に来客対応や電話対応をしなければいけない状況のときも労働時間に該当するといえるでしょう。

休憩時間の定義

労働基準法によると、休憩時間は「使用者が労働時間の途中に与えなければならない」とされています。使用者が与える休憩時間は、次のように定められています。

__・労働時間が6時間を超える場合:45分以上

・労働時間が8時間を超える場合:60分以上__

また同法では「休憩時間を自由に利用させなければならない」とも規定されています。休憩時間に労働者は労働から離れ、自由に過ごすことが保障されなければいけません。

休憩中に仕事するよう指示されたら、時間外労働になる

休憩時間は労働から離れることが確約されている時間です。そのため、ゲームをしようが昼寝をしようが、周囲に迷惑をかけない限りは自由に過ごして構いません。

もしも上司に「仕事が遅いため、休憩中はゲームではなく仕事をするように」など明確な指示があって指示に従った場合は、労働時間に該当する可能性が高いでしょう。別途休憩時間をもらうなどの対応が必要です。

一方で「ゲームしてる場合?」と言われる程度であれば、明確な指示があったとはいえないでしょう。事実上どの程度強制しているのかにもよりますが、仕事をしても自主的に業務を行ったとみなされ、労働時間には該当しない可能性があります。

いずれにせよ休憩時間は自由に過ごして良いものですが、上司が業務の進捗(しんちょく)状況を心配している可能性があります。適切にコミュニケーションをとって、必要であれば業務量を調整してもらうことも考えましょう。

休憩中は自由に過ごして良いが業務量の調整を

休憩中は会社の指揮から離れている時間とみなされるため、どのように過ごすかは個人の自由です。休憩中にゲームをしても注意されるものではありません。

「仕事が遅いから休憩中も仕事するように」と言われて対応したら労働時間に該当します。この場合は別途休憩時間をとる必要があります。一方で自主的に対応した場合はこの限りではありません。

上司が休憩中のゲームについてとがめてくるのは「間に合うのか」「周囲の仕事に支障をきたさないか」など、業務の進捗具合を心配している面が大きいかもしれません。業務量が多くて仕事が回らないようであれば、まずは上司に相談してみてくださいね。

出典

厚生労働省 労働条件に関する総合情報サイト 確かめよう労働条件 社会人として働き始めてからの労働法 第2章(5)労働時間
e-Gov 法令検索 労働基準法

執筆者:山田麻耶
FP2級

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