米法科大学院、入学選考の「人種考慮」禁止で多様性低下=調査

Karen Sloan

[1日 ロイター] - 米国の複数州が過去28年間に入学選考における「アファーマティブアクション(積極的な差別是正措置)」を禁止した後、法科大学院の人種多様性が最大17%低下したことが、新たな調査結果で明らかになった。

調査はイエール大、ニューヨーク大、ノースウェスタン大の法学教授3人がまとめた。米最高裁は昨年6月、大学が入学選考において人種を考慮するのを禁止する判断を示しており、その影響を測る手掛かりとなりそうだ。

教授らは、1980年から21年にかけての法科大学院入学者のデータについて、人種構成に重点を置いた分析を行った。全米の数字に加え、 カリフォルニア、ミシガン、アリゾナなど、96年以来アファーマティブアクション禁止を実施してきた12州の公立法科大学院23校のデータを検証した。

それによると、禁止以来、これら法科大学院の学生の多様性は最小で10%、最大17%低下し、低下分のほぼ全てを黒人とヒスパニック系の学生が占めた。

US・ニューズ・アンド・ワールド・リポートがまとめた全米トップ20に入るカリフォルニア大学バークリー校などの4校では、多様性の低下率が特に大きく、36―47%だった。

米国全体で見ると、法科大学院は米国民の人種構成変化と同じペースで学生の人種が多様化していた。それでも、法科大学院における非白人学生の割合は、人口における非白人の割合である40%には届いていない。

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