ベネズエラ石油輸出が4年ぶり高水準、米制裁緩和期限前に駆け込み購入か

Marianna Parraga Mircely Guanipa

[ヒューストン 1日 ロイター] - ベネズエラの3月の石油輸出が2020年初め以来約4年ぶりの高水準に達したことが、国営石油会社PDVSAの文書や船舶データから明らかになった。

米国が対ベネズエラ制裁緩和措置として発行した石油取引ライセンスが18日に期限を迎えるのを前に、顧客が駆け込みで購入手続きを行った公算が大きい。

米政府は、年内に予定されているベネズエラ大統領選で野党候補が出馬できないのではないかとの見方が広がる中で、公正な選挙を条件に認めたライセンスを延長しない可能性を示唆している。

LSEGの船舶データからは、2月以降はベネズエラの取引相手やタンカー所有者らがライセンス打ち切りの事態に備え、石油を確保しようとしている様子が分かる。

またPDVSAの文書によると、3月にベネズエラの港を出港したタンカーは52隻に上り、平均で日量88万4935バレルの原油・石油製品を運搬したという。

PDVSAはこれまで制裁に加えて、頻繁に起きる停電などの問題によって輸出量を日量80万バレル超に拡大することに苦戦していたが、需要増や販売価格の上昇などを追い風に3月は32%も増やすことができた。

同社の文書では、2月の原油・石油製品輸出は67万1138バレルだった。

米政府から個別にベネズエラ産原油輸出のライセンスを取得し、PDVSAと複数の合弁事業を展開しているシェブロンの3月の米国向け原油輸出は日量約17万8000バレルで、2月とほとんど変わっていない。

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