成長の過程と分かっていても、子どもの反抗期には苦労させられる親御さんも多いようです。親子関係を悪化させたくないあまり、腫れ物に触るような態度を取ってしまう人もいるのではないでしょうか。筆者の友人の1人はユニークな方法で子どもの反抗期と向き合ったといいます。今回はその時のエピソードを友人から聞かせてもらいました。
来るべき反抗期に備え……
私と夫のあいだには、1人息子がいます。
もともと不妊治療をしてやっと授かった子どもということもあり、私たちは息子が生まれたときから溺愛してきました。
とはいえ、子どもはいつか親元を離れて自立するものです。
そのための過程で、きっと反抗期もあることでしょう。
最愛の息子に反抗されるのはきっとものすごく辛いはず! その時に備えて、心の準備をしておこう! と、私と夫は息子が小さいころから反抗期に対応するシミュレーションをしてきました。
「あなたもそろそろ反抗期ね」
それから10年。息子はついに中学校に入学しました。
身体も大きくなり、親とお出掛けしてくれることも少なくなり……いよいよ私と夫は、これまでのシミュレーションを活かすべきときが来た! と、鼻息荒く息子に言いました。
「あなたもそろそろ反抗期ね。でもお母さんたち、しっかり予習してきたから! どんな反抗でもバッチリ受け止めるわよ!」
「お父さんも頑張るぞ!」
「『クソババア』とか言われても、お母さん泣かないからね!」
「あと、反抗期と言えば親に向かって『うるせぇな』とかも言うよな?!」
親から矢継ぎ早にそんなことを言われた息子は、「反抗期を予習する親とか普通いないでしょ」と大笑い。
やがて反抗期がやってきた!
その後、息子が本気で反抗的な態度を取る時期もありました。
しかし、その度に私たちが
「これが本格的な反抗期かしら?!」
「そうかも! 今こそ予習の成果を見せるときだ!」
などと言い合うので、結局最後には息子も噴き出してしまう始末。
私たちとしては息子に向き合い、良好な親子関係を築くための真面目な行動だったのですが、それが息子には面白くてたまらなかったようです。
成長した息子は
そんな家庭環境のおかげで(?)息子は人並みに反抗することはあったものの、大きく道をそれることはなく、先日無事に成人しました。
今でも私たち3人は仲のいい家族です。
息子は当時のことを思い返して「本当に変な親だなぁと思ってたよ。あんなふうに言われたら反抗する気もなくなるでしょ!」とおかしそうに言います。
ちょっと風変わりではありましたが、我が家はこんなふうに反抗期を乗り切りました。
まとめ
両親は真剣だったのでしょうが、その場面を想像すると笑ってしまいますね。
でも、きっとその真剣な姿が子どもの心に響いたに違いありません。
それぞれの家庭で、子どもの性格に合った方法で、ポジティブに反抗期を乗り切りたいものです。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの