スイス中銀、通貨高抑制の介入コスト試算 「約1%で270億フラン」

[チューリヒ 1日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は、スイスフラン高抑制に向けた為替介入のコストを試算した報告書を公表した。

報告書のタイトルは「非伝統的金融政策の一形態としての為替介入」。「スイスフランが1.1%上昇するのを防ぐには約270億フラン(の為替介入)が必要」としている。

「介入に伴うインフレへの影響に対応して、中銀が政策金利を一定に保つことを確約できる期間が長いほど、効果は大きくなる」と指摘している。

フランは安全資産として買われる傾向があり、中銀は2020年代初めまでフラン高を抑制する大規模な為替介入を実施していた。

ただその後、新型コロナウイルスの流行でインフレ圧力が高まると、中銀は輸入インフレを抑制するため、22年に外貨売却を開始、フラン高を誘導した。

現在、インフレ率は目標レンジ(0─2%)内に低下しており、中銀は先月、9年ぶりの利下げを実施。外貨売却の縮小に動いている。

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