中国の慕天望遠鏡、直径1.93メートルの主鏡研磨が完了

中国の慕天望遠鏡、直径1・93メートルの主鏡研磨が完了

慕天望遠鏡の主鏡を研磨するアクティブラップ盤。(資料写真、南京=新華社配信)

  【新華社南京4月2日】中国科学院南京天文光学技術研究所はこのほど、同研究所が開発・製造を進める口径1.93メートル汎用光学望遠鏡「慕天望遠鏡」の非球面主鏡の研磨が完了したと明らかにした。鏡面精度を示す二乗平均平方根誤差は観測波長の50分の1で、設計指標を上回った。

 鏡面の細研磨とバフ研磨はいずれも中国科学院の崔向群(さい・こうぐん)院士(アカデミー会員)率いるチームが国内で初めて開発したアクティブラップ盤を使用。アクティブラップ盤はコンピューター制御で鏡面の曲面と同じ形状にリアルタイムで変化するほか、各プロセスパラメーターにより高速かつ高い平滑度と形状精度の大型鏡面加工を実現した。

 工業用6軸ロボットとスイングアーム式プロフィロメーターの組み合わせにより回転振れで生じる誤差が精度に与える影響も解決し、細研磨とバフ研磨にサブマイクロメートル(1万分の1ミリ)サイズの測定データを提供。光学干渉検査とのシームレスな連係により大口径鏡面の加工と検査における運搬リスクと時間も削減した。精密仕上げ研磨はロボットにより駆動する遊星回転研削機用い、安定した研磨特性を得た。

中国の慕天望遠鏡、直径1・93メートルの主鏡研磨が完了

鏡面を検査するロボット・スイングアーム式プロフィロメーター(左)。精密仕上げ磨きを行う遊星回転研削機(中)。鏡面の干渉縞(右)。(資料写真、南京=新華社配信)

  主鏡の研磨完了は南京天文光学技術研究所が持つ先進技術の加工・検査方法が標準的な応用段階に入ったことを意味し、中国の大型・超大型天文光学望遠鏡の開発・製造で役割を発揮することが期待される。

 慕天望遠鏡は北京師範大学と中国科学院新疆天文台、中国科学院南京天文光学技術研究所、新疆大学が共同で建設を進めるプロジェクトで、南京天文光学技術研究所が開発・製造を担当している。(記者/王珏玢)

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