県有27施設、「CO2フリー電力」に変更 北海道・東北で初、供給が始まる

「CO2フリー電力」の供給を証明するパネルを吉村美栄子知事(左)に手渡す清野伸昭社長=県庁

 県庁や県警本部、県立高校など県有27施設で1日、100%再生可能エネルギー由来の「CO2フリー電力」の供給が始まった。県と県企業局が運営する水力発電施設から「やまがた新電力」(山形市、清野伸昭社長)を通じて給電する。県によると、都道府県庁舎で使う電気をCO2フリーに切り替えるのは北海道・東北で初めてだという。

 同社は県の鶴子(尾花沢市、出力3700キロワット)、田沢川ダム(酒田市、同490キロワット)の両発電所から受電し、一部化石燃料由来を含む電気を県有施設に供給してきた。2024年度から大沢川発電所(真室川町、同5千キロワット)が電力調達先に加わり、供給安定化を契機に再エネの地産地消と環境価値の有効活用を推進しようと、「やまがたCO2フリー電力」と銘打った料金プランを新設し、1日にサービスを開始した。

 同社の電力供給先のうち県有施設と県企業局の上水道・工業用水の浄水場に加え、市町村や民間の施設を含む計127カ所でCO2フリーに切り替わった。県有27施設の年間消費電力は一般家庭3800世帯分に当たる計約1800万キロワット時で、切り替えにより約1万4千トンのCO2排出量削減が見込まれるという。

 清野社長が1日、県庁を訪れ、CO2フリー電力の供給を証明するパネルを吉村美栄子知事に贈呈し、「温暖化による気候変動で、県内でも集中豪雨などが頻発化している。再エネ活用の重要性は増す一方だ」と強調した。吉村知事は「企業や家庭での脱炭素化に向けた機運醸成につながってほしい」と話した。

 同社は他の電力供給先計約140カ所についても「契約の更新時などに順次切り替えを進めたい」としている。

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