30人と一斉に戦う「多面指し」も プロ棋士が愛好家を指南 ハンディなしで対局 中村・村田六段が沖縄・宜野湾市で

 将棋のプロ棋士、中村亮介六段と村田顕弘六段が3月23日、4月に創立10周年を迎える沖縄県宜野湾市の豊田塾宜野湾将棋道場(照屋彰代表)の記念イベントに招かれ、生徒や将棋愛好家を指導した。通常はプロとの力の差を考慮して駒を落として戦うが、今回はハンディを付けない「平手」で対局。一切、隙のないプロの指手に、対戦相手が「手が正確ですごい」と感嘆の声を上げた。(仲田佳史)

「3分切れ負け」の将棋対局で豊田塾宜野湾将棋道場の生徒を指導するプロ棋士の村田顕弘六段(右)

 プロ棋士が対戦相手のテーブルを移動して回り、30人と一斉に戦う「多面指し」と、3分間経つと自動的に負けになるため時間内にどんどん指し手を進める、超早指し対局「3分切れ負け」トーナメント戦の二つのイベントを開催。全国のアマチュア将棋大会で優勝経験のあるアマ強豪の禰保拓也さんと、日本将棋連盟のプロ養成機関「奨励会」で3級の兼城昌瑛さんの2人も加わり、指導した。

 中村六段と対局した那覇市立真和志小3年の屋比久秀介さん(9)は「攻めてくるのがあっという間。狙いを定めて集中攻撃を受けた」とプロの力を痛感した様子。

30人と一斉に将棋を対局する「多面指し」で豊田塾宜野湾将棋道場の生徒や将棋愛好家を指導するプロ棋士の中村亮介六段(左)と村田六段=3月23日、宜野湾市社会福祉センター 

 村田六段と戦った宜野湾市立長田小6年の翁長亮帆(あきほ)さん(12)は「短い時間でも手がはっきりと見えていてすごい。どこでミスしたのかを教えてくれたのでこれからに生かしていきたい」と意欲を語った。 村田六段は「沖縄を訪れるたびに将棋を指す子どもたちが増えていて、前に指した子も強くなっている。たくさん実戦を積んで将棋の楽しさを感じてほしい」と期待した。

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