ダイエットの天敵?糖質を摂り過ぎるとどうなるの?【炭水化物の話】

糖質過多は深刻な病気のはじまり

まず「糖質」と「炭水化物」、この2つの違いをしっかり把握することからはじめましょう。三大栄養素という言葉をよく耳にすると思いますが、これは人間が活動するために必要なエネルギーになるもので、炭水化物、脂質、タンパク質の3つがそれにあたります。炭水化物はご飯やパン、うどん、パスタなど主食として摂る穀類以外に、さつまいもやじゃがいもなどのイモ類、砂糖やはちみつ、さらに果物にもたくさん含まれている栄養素です。

血液中のブドウ糖はすぐに筋肉や脂肪、脳、内臓などに取り込まれるため、しばらくすると血糖値は平常に戻ります。ところが、糖質を摂り過ぎると、処理が追いつかず血液中のブドウ糖濃度は下がりません。食後高血糖と呼ばれる状態です。

食後高血糖を放っておくと、さらなる血糖異常を引き起こし、空腹時高血糖を経由して糖尿病になります。そもそもそれ以前に、血糖下降の際の飢餓感からエネルギー摂取過剰を介して、肥満、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病にもつながります。

この状態が繰り返されると、血管にさまざまなストレスを与え、動脈硬化症(マクロアンギオパチー)から心筋梗塞、脳梗塞などのリスクを高めます。この「メタボリック・ドミノ」と呼ばれる負の連鎖は、まさにこの糖質過多からはじまるのです。1、2脳卒中や心不全、がんなど深刻な病気を引き起こす前に糖質過多や食後高血糖を解消する。それが病気予防の一番の早道なのです。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 炭水化物の話』
著:山田悟

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 炭水化物の話』
著:山田 悟

昨今、健康法やダイエット法として“糖質制限”が浸透し定番となっていますが、一度やってみたものの挫折してしまう人も多く「一生続けるのは現実的じゃない…」「やっぱり主食を食べたい」という声も少なくありません。 本書では『炭水化物』をテーマに、ガマンせずに食べながら痩せる方法や生活習慣病の予防に役立つ知識を、糖尿病専門医でもある著者が図解でわかりやすく解説します。 すべてのカギは『血糖値』。血糖値と聞くと、糖尿病など生活習慣病の人だけが気にするべき数値のようなイメージがあるかもしれませんが、健康診断の数値にあらわれない『食後高血糖』は成人の2人に1人に起きているといわれており、誰もが他人事ではない数値です。 炭水化物を食べながらでも血糖値を上げない食事法を具体的に紹介し、「GI値の低い食品って太りにくいの?」「外食のときはどうすればいい?」「食べ過ぎてしまったら翌日は食事を抜くべき?」といったギモンにも医学的に回答。さらに「白米よりチャーハンのほうが太らない」「油はたくさん摂ってOK」「朝のフルーツはNG」など、今までの固定概念を覆す新常識も。 最先端の研究にもとづいた食事法で、炭水化物や糖質を「食べられない」ではなく「どう工夫して食べるか」がわかる、楽しく一生続けられるメソッドが満載の一冊です。

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